食虫植物は面白い! 環境に適応したユニークな植物
食虫植物に対して、ちょっぴり怖いイメージをもっている人もいるかもしれません。「植物なのに虫を食べる」、そんな不思議な生態をもつ食虫植物のおもしろさを、神奈川県農業技術センターの富田裕明(とみた・ひろあき)さんが教えてくれました。
不足する栄養分を虫から取る
「虫を食べる」と聞くと、ジャングルのようなうっそうとした場所に生えていそうなイメージですが、実際には食虫植物は世界中のさまざまな場所に分布している植物。もちろん日本にも自生していて、北海道から沖縄まで、22種が確認されています。その多くは大きな樹木のない湿原で育ち、なかでも尾瀬ヶ原ではナガバノモウセンゴケの大群落を見ることができます。
食虫植物は栄養分に乏しいやせた土地で暮らすために、根から吸い上げるだけでは足りない栄養分を虫から取れるように進化しました。虫を捕まえる仕組みはいくつかあり、粘液で動けなくしたり、袋に落としたり、2枚の葉で閉じ込めたりするほか、水草のなかにも袋に吸い込むようにして捕まえるものがあります。
おすすめの4つの食虫植物
たくさんの食虫植物のなかから、富田さんおすすめの4つを紹介していただきました。
(撮影:成清徹也)
アフリカナガバモウセンゴケ
モウセンゴケのなかでは最も丈夫!
(撮影:成清徹也)
ハエトリグサ
植物なのに"すばやく動く"おもしろさ
(撮影:成清徹也)
ウツボカズラ(ネペンテス)・アラタ
栽培されているウツボカズラの定番!
(撮影:伊藤善規)
サラセニア
寒さに強く、初心者でも育てやすい!
『趣味の園芸』6月号では、食虫植物の魅力や、管理のポイントについて詳しく紹介しています。
テキスト『趣味の園芸』2022年6月号「山本美月グリーンサムへの12か月 ③食虫植物は面白い!」より