『土を育てる～自然をよみがえらせる土壌革命』～植物を愛するすべての人へ

気候変動対策として、いま世界で注目を集めるリジェネラティブ農業（環境再生型農業）の第一人者、ゲイブ・ブラウン氏による『土を育てる～自然をよみがえらせる土壌革命』が、5月30日にNHK出版より刊行されました。

生態系を回復させ、温暖化まで止める！　野心的な「土壌のバイブル」

土が "健康な土壌" に生まれ変わり、生態系を回復させ、温暖化まで止める――世界で大きな注目を浴びるリジェネラティブ農業（環境再生型農業）。その第一人者であるゲイブ・ブラウンさんは「土さえあれば、どんな場所でも実践できる」と言います。　

ゲイブさんの農場では、リジェネラティブ農業に切り替えてから約4年で地中のミミズが増え、約20年で雨水の浸透速度が約600倍に、窒素（ちっそ）などの含有量も周辺の農場の約10倍に、と劇的に向上しました。試行錯誤の中でゲイブさんがたどりついた「土の健康のための5原則」は農園、家庭菜園、ガーデニングまであらゆる栽培に役立つでしょう。

「すべての命は土あってこそ」―この認識はいま、私の中に深く根を張っています。最初に農業を始めたころの自分がどれほど土を壊す行為をしていたか、いまとなってはほとんど信じられないほど。日々の仕事の中でも、「土を育て、守り続ける」という目標のもと、ほぼすべての意思決定を行っています。よりどころにしているのは5つの原則。数十億年の時を経て、自然がつくり出してきた原則です。太陽が照り、植物が育つかぎり、地球上どんな場所でも変わりません。（ゲイブ・ブラウン）

福岡伸一・森田真生両氏推薦！　原書は米アマゾンで約1000の5つ星レビューを獲得！

「土は生命現象の産物、そして生命のゆりかご。
土から始まる環境革命の実践書」
福岡伸一（生物学者）

「人が土を育て、土が人間を育てる。
土をケアする営みは、こんなにも奥深く切実で面白い」
森田真生（独立研究者）

『土を育てる～自然をよみがえらせる土壌革命』
ゲイブ・ブラウン 著／服部雄一郎 訳
NHK出版／定価2,420円（本体2,200円+税10%）
2022年5月30日発売
NHK出版で購入する ｜ Amazonで購入する

有効な温暖化対策「カーボン・ファーミング」として、いま脚光を浴びるリジェネラティブ農業（環境再生型農業）。その第一人者が、4年連続の凶作を乗り越えた末に、自然から学んだ「土の健康の5原則」には、生態系の回復やカーボン・ファーミングのエッセンスが凝縮されている。地中の生態系のはたらきを阻害さえしなければ、農園から家庭菜園、ガーデニングまで、あらゆる土が「真に生きた土」に変わる。さらに、やせた土地の回復は、農場の衰退、食糧危機、環境破壊、気候変動問題などの対策にもつながるのだ。21世紀のさまざまな課題解決の糸口となり、自然への見方が変わる、野心的な〈土壌のバイブル〉！

Ⓒ Larry Reichenberger

著者／ゲイブ・ブラウン Gabe Brown

気候変動対策「カーボン・ファーミング」として、いま世界で注目を集めるリジェネラティブ農業（環境再生型農業）の第一人者。アメリカ、ノースダコタ州で2,000ヘクタールの農場・牧場を営む。妻と息子の家族3人でたび重なる危機を乗り越えて、化学肥料・農薬を使わない不耕起の栽培によって自然の生態系を回復させる新たな農業を確立した。彼の農場には国内外から毎年数千人の見学者が訪れるほか、講演やメディア出演も多数行い、世界中にそのメソッドを伝えている。アメリカ不耕起栽培者賞、天然資源保護協議会から成長グリーン賞を受賞。

本書「訳者あとがき」より

本書の中心のテーマは、「土の再生」。植物や土壌生物の力を生かし、土の生態系を回復することで、大気中の炭素や窒素を地中に取り込む。それによって作物の育ちはよくなり、同時に気候変動の抑止も果たされる。本書は、私たちの足下にある土の普遍的なパワーと、そのパワーが地球規模でうしなわれることの重大さに気づかせてくれる刺激的な書でもあります。地球の土の上に生きるすべての人に、現代の資本主義的な自然との関わりを顧みる機会をくれる貴重な一冊ではないでしょうか。（服部雄一郎）