一鉢置くだけで部屋がおしゃれに！ 観葉植物 フィカス

フィカス・ベンガレンシス。キッチンやダイニングでは土を用いないハイドロカルチャーがおすすめ（撮影：竹田正道、撮影協力：一条工務店、名古屋園芸）

観葉植物としての長所をいくつも兼ね備えたフィカス。一鉢置くだけで、室内に洗練された雰囲気をもたらしてくれます。多くの種や品種、多様な鉢サイズがあり、洋室でも和室でも活躍してくれます。園芸研究家の小笠原 誓（おがさわら・せい）さんが教えてくれました。

室内をおしゃれに一変させる存在感

フィカスというのはゴムノキやベンジャミンなどの仲間のことで、葉の美しさ、大きさ、色の豊富さと樹形のおもしろさ、そして何より育てやすいという観葉植物の長所をいくつも兼ね備えています。近年は大ぶりな葉をつける種類が人気で、一鉢置くだけでゆったりとしたリゾート気分にしてくれます。一方、小さな葉をちらちらとつける種類は、あたかも点描の絵画を見ているようです。吸い込まれるような深い緑色から、軽妙に躍っているような斑入りまで多彩な葉色も、それぞれに違った雰囲気を演出してくれます。

置き場に合わせて選べる豊富な種類とサイズ

フィカスは種や品種の数だけでなく、同じ種類でも大、中、小とさまざまなサイズのものが出回ります。テーブルの上に置くなら4～6号鉢で高さ20～50cmのもの、リビングや玄関のコーナーに置くなら7～10号鉢で高さ70～180cmのものと、置き場に合わせてサイズを選ぶことができるのも人気の理由です。
仕立て方も自然樹形ばかりでなく、幹を人工的に曲げたアーティスティックな樹形のものもあり、その魅力は尽きません。

リビングに向くフィカス

フィカス・ウンベラータ
住居のみならず店舗などでも利用されている人気種。耐陰性はあるが、ときどきは日光に当てるようにする。

和室に向くフィカス

フィカス・エラスティカ 'メラニー'

インドゴムノキの名で知られる種類。'メラニー' は比較的小型の黒っぽい光沢のある葉が印象的な品種で、卓上用としても人気。和室に置く場合は鉢を和風に。

撮影：竹田正道、撮影協力：一条工務店、名古屋園芸

『趣味の園芸』7月号では、ほかにもユニークなフィカスの種類と、美しい樹姿を長く保つコツを紹介しています。

テキスト『趣味の園芸』2022年7月号「選　いま、観葉植物・フィカスがおもしろい」より

NHK出版で購入する　｜　Amazonで購入する