鉢植えでブドウの収穫を目指そう!よい苗木の見分け方
果物として大人気で、苗木の流通も多いブドウ。ほったらかしで育つほど都合よくはいきませんが、手間と愛情をかけたぶんだけ、おいしく育ってくれるのもブドウの魅力。自分で育てた完熟ブドウは、至福の味です。今夏は、そんな憧れに挑戦してみませんか? 千葉大学環境健康フィールド科学センターの三輪正幸(みわ・まさゆき)さんが、ブドウ栽培の魅力と苗木の選び方について教えてくれました。
人気のブドウ 鉢植えで収穫を目指そう
好きな果物ランキングで、常に上位を維持するブドウ。′シャインマスカット′をはじめ、次々と新品種が登場して、おいしさだけでなく「皮ごと・タネなし」など食べやすさも競っています。
ブドウは苗木も多く流通しており、鉢植えでも収穫できるため、家庭で育てやすい果樹です。つる植物なので、オベリスクや構造物に這わせるなどアレンジも自在。葉の形も美しく、秋の紅葉など収穫以外の楽しみもあります。
一方、誘引や摘心など作業が多かったり、病害虫対策が必要だったりと、気をつける点が多いのも事実です。とはいえ、ポイントさえ押さえれば、決して栽培が難しいわけではありません。初めての人も過去に失敗した人も、おいしい収穫を目指して、ブドウを育ててみませんか?
ブドウ栽培はここが楽しい!
● 品種が多彩で、より取り見取り
● 苗木1本で収穫できる
● 生育旺盛、ぐんぐん育つ
● 枝の切り詰めに強い! どの枝を切っても花はつく。だから果実も、つきやすい
苗木を入手しよう! よい苗木の見分け方
苗木にはすぐに収穫できる「実つき苗」と、手ごろな「1~2年生苗」があります。好みや予算で、選びましょう。
〈お急ぎコース〉
「実つき苗」からスタート!
写真提供/三輪正幸
実つき苗は、つい果実に目が行き、房がたくさんついているものを選びがち。しかし、着目すべきは「葉」。葉が濃い緑色でしっかりと茂っている苗木を選びましょう。苗木とはこれから長いつき合いになるし、その成長は葉の光合成にかかっているのだから、目先の果実に惑わされるのは、軽率ですよ!
【流通期間】6~10月 【価格の目安】2,000円
こんな人におすすめ
●すぐに収穫を楽しみたいなら、こちらから。
● 苗木がある程度大きくなっているので、ビギナーでも安心。
〈じっくりコース〉
「1~2年生苗」(果実なし)からスタート!
写真提供/三輪正幸
生育期で葉のついている状態の苗木は、実つき苗と同様に、葉数が多く緑色が濃いものを。落葉期(冬)の棒苗は、枝が太くしっかりしたものを選びましょう。写真は落葉期の冬に流通する苗(棒苗)。
【流通期間】通年
【価格の目安】1,000円~
こんな人におすすめ
●流通量が多いので、多くの品種から選べる。
● 値段が手ごろなので、気軽に始めやすい。
● 収穫は次の夏以降。じっくり待つ楽しみも。
『趣味の園芸』8月号では、わが家でおいしいブドウを収穫するための、ブドウ栽培について大特集しています。
テキスト『趣味の園芸』2022年8月号「選 今度こそリベンジ! ブドウ」より