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「より長く美しく、球根寄せ植えを楽しむ裏ワザありますか?」球根愛あふれる井上先生に聞いてみた!趣味の園芸10月号こぼれ話【後編】

「より長く美しく、球根寄せ植えを楽しむ裏ワザありますか?」球根愛あふれる井上先生...

ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」で読める「テキストこぼれ話」。『趣味の園芸』テキストの特集内容に関連して、誌面で紹介しきれなかった情報をお届けします。

 

10月号「球根×パンビオで 春を夢見る寄せ植え」で、パンジー、ビオラとさまざまな球根でつくる、夢見るような寄せ植えを披露してくださった井上まゆ美さん。

こぼれ話の前編では、誌面で紹介しきれなかった、素敵な寄せ植えを2つ、紹介していただきました。先生が手掛けるような、素敵な寄せ植えをつくるコツってなんでしょうか?

 

「植え込む植物と球根の、色彩フォルム(形)でしょうね。色なら同系色か反対色か。咲く時期をそろえて数種類の球根を一気に咲かせるか、ずらして順番に咲かせるか。草丈花の大きさなども大事な要素です」

 

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テキストの扉を飾った、同系色がやさしいピンクのチューリップの寄せ植え。テキストで見えにくかった裏側も、やはり同系色のビオラなんです。(撮影:田中雅也)

 

あれもこれも植えたいものがあるので、そう考えていくと、パズルのようになって、こんがらがってしまいそうです・・・。

 

「ですから、最初はパンビオなどの草花と、1種類のチューリップを植え込むことから始めましょう。冬の間パンビオの花を楽しみつつ、球根にも水やりできて、春からはまた別の花が顔を出す、ベストな組み合わせですよ!」

 

なるほど、まずは欲張らず、シンプルに始めてみるのがよいのですね。

 

テキストでは"2段植え(ダブルデッカー)"という植え方や、先生が工夫した"花束植え"も教わりました。こういった植え方のメリットってなんですか?

 

「秋植え球根は、植えつけから約半年お世話しても、たとえば園芸種のチューリップなら最盛期は1週間ほどです。せっかくだから、もっと長く楽しみたいですよね。そんなとき、2段植えの手法で、1つの鉢にスイセンとチューリップといった大きめの球根と、ムスカリなどの小球根を2段で植えこめば、まずスイセンが顔を出し、終わるころにチューリップやムスカリが追いかけるように咲く"リレー咲き"になって、ひと鉢で半月以上楽しめるんですよ!

 

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3月下旬。まずスイセンから咲きだす。(撮影:田中雅也)

 

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4月上旬。チューリップが咲きだした! ビオラの隙間からはよく見ると小さなムスカリも。(撮影:田中雅也)

 

また、もう1つの植え方、"花束植え"にすれば、チューリップの株元がきゅっと小さくまとまるので、周囲に配置する草花苗が植えつけやすいうえ、咲いたときは花束のような豪華さを演出できます」

 

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まるで鉢の中央にブーケを立てたように豪華! チューリップの花束植え。(撮影:田中雅也)

 

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花束植えは、チューリップの球根のとがったほうを中心に向けて植えつける。(撮影:田中雅也)

 

さて、さまざまな球根に造詣が深く、花束植えまで考え出してしまった井上さん。そんな球根愛はどこから生まれるのでしょうか?

 

「若いころに大病を患い、長い間療養していましたが、あるときチューリップの球根を植えてみたら、冬の間土の中でじっと寒さにあたるも、春になると芽を出し、花を咲かせる・・・その力強さに自分が励まされました。今の自分を球根にたとえれば冬の時期で、でもきっと病気がよくなって花を咲かせる日がくるだろうと、自分自身を重ね合わせていたのですね。

 

そこからは、園芸品種のチューリップをはじめ、いろいろな種類の球根を育ててみたくなり、50坪ほどの畑を借りて試行錯誤する日々でした。チューリップに始まり、スイセン、小球根へと興味は移っていき、グルメにもおしゃれにも旅行にも背を向け、ひたすら球根と向き合う球根オタクな日々でした。

そんな畑の観察日記をホームページに載せていたところ、園芸雑誌の目にとまり、こうした仕事をするようになりました。

病気も幸い寛解しましたし、球根に励まされ、球根とともに歩んだ人生だったと思っています」

 

球根のエネルギーが井上さんに、前に進む力をくれたのですね。

最後に、球根をパートナーに歩んだからこその、球根に驚かされた! なんてウラ話はありますか?

 

「球根はそれ自体に芽吹きのエネルギーを蓄えているので、タネまきに比べれば手間なしで発芽するものがほとんどですが、それでも不測の事態は起きえます。同じ日に同じ品種を植えても、開花が時間差になってしまったり、順調に育っていたかと思いきや、開花前に枯れてしまったり。

今回『趣味の園芸』のために仕込んだ八重咲きスイセン'ティタデラックス'も、蕾にはなったのに、開花直前に枯れてしまいました。ラベルを見て球根を植えたのに、産地で取り違えたのか違う花が咲いた! なんて笑えない事態もあるんですよ」

 

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今回使用した八重咲きスイセン'ティタデラックス'(手前黄色)も、残念ながらきれいな開花には至らず枯れてしまった。(写真提供:井上まゆ美)

 

「でも、そんな試行錯誤も含めて、無事開花したときの喜びはひとしおです。ぜひ、好きな球根とパンビオで、春が待ち遠しくなる寄せ植えをつくってみてください!」

<終わり>

 

前編から読む!

 

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井上まゆ美(いのうえ・まゆみ)

園芸家/横浜市で球根植物や多肉植物などを中心に生産・販売。寄せ植えやハンギングバスケットの講習が人気で、個人庭や公共スペースのガーデンデザインや施工も手掛ける。『簡単DIYでできる花壇と寄せ植え』(主婦の友社)をはじめ、著書多数。

(撮影:田中雅也)

 

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テキストこぼれ話」では、『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開しています(毎月2回更新予定)

 

『趣味の園芸』2022年10月号(9/21発売)

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園芸店がパンジーやビオラでにぎわうころ、そばにはかわいい球根も並んでいます。「植えつけ適期がぴったりだから、ぜひ一緒に楽しみましょう!」パンビオの鉢植えに球根を忍びこませて、春が待ち遠しくなる寄せ植えを、井上まゆ美さんが紹介してくれます。

 

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テキスト『趣味の園芸』2022年10月号

 

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