満開を維持する、冬の鉢花の管理
冬に花を咲かせ、室内を明るく彩ってくれるエラチオール・ベゴニアやサイネリア、シャコバサボテンなどの鉢花。日当たりのよい窓辺で育てます。長く花を楽しむための管理のポイントを、園芸研究家の杉井志織(すぎい・しおり)さんが教えてくれました。
冬の窓辺での管理~満開の花を維持する~
置き場
花もちをよくしたい場合はやや涼しく感じる部屋の窓辺、次々に花を咲かせるなら暖かい部屋の窓辺が理想。床暖房の床面には直接置かず、花台などを利用。夜間はカーテンの内側に置いて5℃を下回らないように。
水やり
冬の室内は暖房で乾燥気味になる。うっかり水切れさせると、回復しにくいのが冬の室内花の特徴。美しい姿を保つためには水やりがポイントに。基本は「表土が乾いたらたっぷり」だが、シャコバサボテンのように葉が肉厚な植物は水を蓄えているので、表土が乾いてから2~3日後に。鉢皿には水をためない。
施肥
エラチオール・ベゴニアやサイネリアは、規定倍率の2倍に薄めた液体肥料(N-P-K=6-10-5など)を水やりの代わりに施して連続開花を促す。底面給水鉢の場合は同様の液体肥料入りの水をためる。シャコバサボテンの蕾の段階やラン類には施さない。
おひさま色のビタミンカラーで春を待とう!
「冬は空気が澄んで、花色が鮮やかに見える季節です。気温が低いから花もちもよく、花が長く楽しめます」と、杉井さん。
近年は寒くても連続開花する品種が多く出回り、春を待ちながら日だまりを彩る植物を育てるのも楽しいものです。赤やピンクの定番カラーに加え、黄色やオレンジ色などのビタミンカラーのバリエーションも豊富に。
「室内のインテリアにも合わせやすい花色がそろい、大きな花束のような華やかな鉢花が明るく彩り、豊かな気持ちにしてくれます。おひさま色のビタミンカラーの花は春を待つ楽しさがあります」
エラチオール・ベゴニア
色鮮やかな花色が目を引く。室内ですてきに見せるためには複数の花色を飾るのがおすすめ。大きな花束のような迫力が楽しめ、室内のフォーカルポイントになって部屋を広く見せる効果が期待できる。観賞期間が長いのもうれしい。夜間は冷えすぎない部屋の中ほどに移動させるとよい。
(撮影:安部まゆみ)
『趣味の園芸』12月号では、冬にビタミンカラーが楽しめるおすすめの花や、栽培のコツを紹介しています。
テキスト『趣味の園芸』2022年12月号 「今、鉢花を選ぶなら 冬のハートにビタミンカラー」より