冬のトンネル栽培に向く野菜、不向きな野菜
寒さで害虫が少なくなる冬に畑を更地にするのはもったいない! 畝(うね)に、支柱で半円アーチ状の骨組みを作り、その上に被覆資材をかけて作物を栽培する「トンネル栽培」なら、冬の低温下でも野菜作りができます。寒さで害虫の発生もグンと少なくなり、雑草の繁茂も抑えられるなど、冬の野菜栽培にはメリットも。
「畑の達人」としておなじみの加藤正明(かとう・まさあき)さんが、冬のトンネル栽培におすすめの野菜を教えてくれました。
トンネル栽培には、野菜の向き、不向きがある
野菜には種類ごとに、発芽・生育に適した温度があります。冬にトンネル栽培できるのは、寒さに強い野菜です。生育適温が高いオクラやサツマイモのような熱帯原産の高温性野菜や、気温が低いと収穫にまで至らない結球野菜は不向き。トマトやキュウリなどのように支柱を立てて立体栽培したほうがよい野菜は、トンネルをかけられません。
トンネル栽培に不向きな野菜
●イモ類
低温や霜で枯れたり、食用部分であるイモが太らなかったりするジャガイモ、サトイモ、サツマイモなども、あきらめましょう。
●結球野菜
キャベツやハクサイ、玉レタスなどの結球野菜は寒いと生育が十分に進まず、結球にまで至りません。
●果菜類
トマト、キュウリ、ナスなどは、草丈が高くなるのでトンネルをかけられません。カボチャやスイカなどは地這(じばい)栽培できますが、寒さで枯れてしまいます。
●熱帯性の野菜
オクラ、サツマイモ、サトイモ、シソ、バジル、クウシンサイ、モロヘイヤなど、生育適温が高温で寒さに弱い野菜は不向きです。
トンネル栽培に向く野菜
タネ袋のまきどきを確認して、育てましょう。
★印はトンネルの効果が高く、達人が特におすすめの野菜です。
<根菜類>
ダイコン
ニンジン★
テーブルビート★
ラディッシュ
小カブ
ミニゴボウ
<葉菜(ようさい)類>
ホウレンソウ★
コマツナ
ルッコラ
タアサイ★
ミズナ
ナバナ類
カラシナ類
タカナ類
ケール
シュンギク
リーフレタス(ベリーリーフ)★
『やさいの時間』12・1月号では、2種類の資材で始められ、特別な管理もいらないトンネル栽培の方法を紹介しています。
テキスト『やさいの時間』2022年12・1月号 「達人流 ラクチン&簡単トンネル栽培」より