「世界らん展2023-花と緑の祭典-」が開幕! グランプリ受賞花と会場の見どころをレポートします
2月8日(水)、33回目の開催を迎える「世界らん展2023-花と緑の祭典-」が東京ドームシティのプリズムホールで始まりました〈会期は2月14日(火)まで〉。グランプリ「日本大賞」の受賞花や見どころなどを写真とともに紹介します。
エントランスから入ると「らんの小道」を抜け、高さ4mの壁一面に華やかなランがあふれる「らんの谷」へと進みます。艶やかな色と馥郁たる香りの共演に足が止まります。
「らんの谷」の先は薄暗く植物が生い茂るエリア「らんの森」。自然の環境をイメージさせる着生ランやビカクシダ、食虫植物のネペンテスなどの植物で立体的に演出され、出品作品が展示される会場へと誘います。
「世界らん展日本大賞2023」グランプリは「パフィオペディラム エメラルド フューチャー 'グリーン モンスター'
注目の日本大賞に輝いたのは、パフィオペディラム エメラルド フューチャー'グリーン モンスター'(Paph. Emerald Future 'Green Monster')。「趣味の園芸」の番組やテキストでも講師としてランの楽しみを伝えてこられた、東京都の高橋昌美(たかはし・まさよし)さんの作品で、出品された517作品のなかから71人の審査委員により選ばれました。
審査委員長の江尻宗一さんの講評は「蘭愛好家の中でも一際人気の高いパフィオペディラムの中で、最新の交配により、丸く大きなリップ(唇弁)、展開の良い、透き通るような黄緑の花弁、各パーツの完成度の高さが評価のポイントです。」とのこと。写真では再現が困難な色合いや質感の完成された株姿で、来場者の皆さんも目を奪われていました。
今回の「世界らん展2023-花と緑の祭典-」では「日本大賞審査部門」と「フラワーデザイン部門」の2部門で作品審査が行われました。
グランプリである「日本大賞」は、どのように選ばれるのでしょうか。審査委員長で「趣味の園芸」でも講師としておなじみの江尻宗一さんにお尋ねしたところ、審査プロセスのパネル掲示をご案内くださいました。
「日本大賞審査部門」は、洋ラン、東洋蘭、日本の蘭などあらゆるランが対象。まず、41のカテゴリーごとに「個体の良さ」「開花状況」「株の仕立て」「花の鮮度」などを評価する「リボン審査」が行われ、各カテゴリーの第1席〜第3席には、上位から順にブルー、レッド、ホワイトのリボンが授与されるとのことです。
第1席のブルーリボンを獲得した41の作品には、合わせてトロフィー賞が授与されます。
トロフィー賞のなかから審査委員による審査が行われ、上位18作品が部門賞に。部門賞のトップがグランプリである「日本大賞」に輝きます。日本大賞に次ぐ高評価の作品には「優秀賞」「優良賞」(各1作品)、「奨励賞」(15作品)が順に贈られます。
トロフィー賞の展示エリアは入口近くに設けられていました。
トロフィー賞のなかから絶対評価の審査が行われ、上位18作品が部門賞に。部門賞のトップがグランプリである「日本大賞」に輝きます。
日本大賞に次いで高評価の作品には「優秀賞」「優良賞」(各1作品)、「奨励賞」(15作品)が順に贈られます。
栄誉の証のリボンのほか、ゴールドやシルバー、ブロンズのメダルが輝く作品も。特にシルバーメダル以上の受賞は非常に難しいという、世界的な評価基準による「メダル審査」で認定された作品です。
41のカテゴリーはA~Jのグループに分けて展示され、審査基準を解説するパネルも掲示されていました。
もう一つの「フラワーデザイン部門」はランの生花を使用した「ウェディングブーケ」と「アレンジメント」の2カテゴリーで、「テクニック」「オリジナリティ」「カラーハーモニー」「完成度」が審査されます。
12点がトロフィー賞に選出され、トロフィー賞のうち上位の作品には順に「最優秀賞」「優秀賞」「優良賞」(各1作品)、「奨励賞」(3作品)が贈られます。
フラワーデザイン部門の最優秀賞に輝いた植松崇さんのアレンジメント作品「蘭way」。
会場レポート
そのほかにもさまざまな企画展示や、ランを中心に植物や関連アイテムなどを扱う約50店舗が出店する「ボタニカルマーケット」など、お楽しみいっぱいのイベントでした。
日本大賞受賞経験者がこだわり抜いて育てた珠玉の作品の企画展示「匠の技」。
「らんの森」の中の特別展示「コブラ・オーキッド」。正しい名前はバルボフィラム・パープレオラキス(Bulbophyllum purpureorhachis)で、原産地はアフリカ大陸のカメルーン、中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国など。うねりながら立ち上がる幅広の部分は花茎で、小さな突起のようなものが花や蕾という珍しいランです。
「趣味の園芸」の好評企画「これ、かっこイイぜ!」の特設コーナー。昨年に続く企画展示で、滝藤賢一さんが推すユニークな植物や着生植物などが並びます。
「フラワーアーティストによる花の世界」。おなじみ世界らん展の目玉企画で、華道家・假屋崎省吾さんと花創作家・志穂美悦子さんによる華麗な作品の展示。
会期初日の2月8日に「ボタニカル・マーケット」で出会えた植物には、ジュエルオーキッドやケープバルブなど、人気上昇中のランや「かっこイイ」系の植物も。多くの植物は、いわゆる"売切御免" のようでした。
「世界らん展2023 -花と緑の祭典-」は2月14日(火)までの開催で、開場時間は各日10:00~18:00。2月10日(金)の開場時間は10:00~20:00までで、2月10日(金)18:00〜20:00のみ入場可能なフライデーナイトチケットも販売。
●チケットの詳細情報 チケット|世界らん展2023 --花と緑の祭典-- (event-td.com)
会場の様子は、2月12日(日)放送の「趣味の園芸」(NHK Eテレ 8:30~)の番組内でも紹介する予定です!
[関連情報]
「世界らん展2023−花と緑の祭典−」2月8日~2月14日開催!「趣味の園芸」でもリポート〈2月12日放送予定〉
【NHKBSプレミアム】世界らん展2023-花と緑の祭典- 2月11日放送