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お気に入りの植物を「ふやす」楽しみ さし木の基本知識

お気に入りの植物を「ふやす」楽しみ さし木の基本知識
(撮影:田中雅也)

園芸は、植物を育てるだけではなく、お気に入りの植物を「ふやす」楽しみもあります。『趣味の園芸』2023年6月号では、「ふやす」をテーマに、「さし木・さし芽」「株分け」「タネまき」でのふやし方について詳しく紹介しています。お気に入りの植物をふやして、新芽が出る感動を、味わってみませんか?

 

ここでは「さし木」についてご紹介。さし木というのは、親株から枝や茎の一部を切り取り、用土や水にさしてふやす方法です。樹木の枝で行うのが「さし木」。草花の茎で行う場合は「さし芽」とも呼ばれます。剪定や株の整理で切った枝や葉など、本来なら捨てるはずの部分を活用できるから、お金もかからないし、究極のエコでもあります。

さし木の基本知識を、園芸研究家の島田有紀子さんが教えてくれました。

 

知っておきたい、さし木の基本知識

 

①適期

さし木は植物の生育が旺盛なときほど早く発根する。適期は以下のとおりだが、適温が得られる環境であれば年中可能。
●草花/4月下旬~6月下旬、9月上旬~10月下旬
●観葉植物/4月下旬~8月下旬

 

②用土と用具

多くの植物で、市販のさし木・タネまき用土が使える。バーミキュライトやパーライト、赤玉土や鹿沼土の小粒などを単用で使用することもある。用具はさし穂を切るために使う刃物が必要。切り口がつぶれないように鋭利で清潔なハサミやカッターナイフを使う。

 

③さし木の種類

さし穂に使う部分の違いで、次のような種類がある。植物によって適した方法を選ぶ。
●茎ざし/先端の芽やわき芽のある茎を適当な長さに切り取って、土や水などにさす方法。切り口付近から根が出るとともに、もともとある芽も伸びる。
●葉ざし/1枚の葉や葉の一部を切り取って用土にさす方法。
●根ざし/根を切り分けてさす方法。

 

④作業後の管理

さし木後は、軒下など強い風が当たらない明るい日陰に置き、さし穂の葉からの蒸散を抑える工夫をする。梅雨どき以外は、霧吹きで葉水を与えたり、さし床にポリ袋をかぶせて密閉したりする。

 

種苗法により、品種登録のある植物のさし木は個人で楽しむ以外の目的で行うことはできません(*)。

 

*植物には、種苗法で保護されている登録品種があります。登録品種は、有償・無償を問わず、他の人への譲渡や販売、譲渡を目的とした栽培や増殖、海外への持ち出しなどの行為が禁止されています。登録品種には開発した人の権利が及んでいます。2021年に施行された改正種苗法では、登録品種には、PVPというマークを表示することが義務化されました。マークのついている品種は、個人の庭や花壇で楽しむようにしましょう。(園芸を楽しむうえで知っておきたいことより)

 

今はちょうどさし木の適期です。『趣味の園芸』6月号では、さし木名人もあっと驚く、鉢花を半年で一気に大株に仕立てるとっておきの方法を紹介しています。ぜひ挑戦してみてください。

 

▼この号に掲載されています

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『趣味の園芸』2023年6月号

誰もが知っているアジサイ。これまで幾多のアジサイ特集を組んできましたが、その魅力に改めて出会えるような集大成ともいえる大特集をお送りします。注目特集は、タネまき、さし木、株分けなど園芸の楽しみ「ふやす」テクニックを紹介。稲垣吾郎さんの「グリーンサム」第3回は植栽について。

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ふやし方についてもっと知りたい方は...

 

saibainavido_hananaehuyasu.jpg

『NHK趣味の園芸 12か月栽培ナビDo 花苗をふやす~タネまき・さし木・株分け』

大好きな花の苗をもっとふやして楽しみたい! そんな多くの園芸ファンの願いをかなえる一冊。タネの大きさ別まき方・育て方、茎か葉により方法が異なるさし木、株の活性化も促せる株分けなどを、豊富なプロセス写真で丁寧に解説する。月ごとに「今月なにができるか」「どうするか」がわかる。[著] 島田由紀子

2023年5月17日発売
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