甘いイチゴを育てるにはフカフカな土を選ぼう
来春おいしいイチゴを味わいたいなら、今がスタートの時期です。園芸家の深町貴子(ふかまち・たかこ)さんが、イチゴがよく育つ土についてアドバイスします。
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おいしいイチゴを栽培するコツはいくつかありますが、最も大切なのは根をしっかりと張らせること。根の張りがよいと、根が水分や養分をどんどん吸収して株が大きく成長し、葉が盛んに光合成をします。結果として、イチゴの実にも養分が行き渡り、甘い実がたくさん収穫できます。そこで、おいしいイチゴを育てるには、培養土選びにもこだわってみましょう。ピートモスなど、植物性の有機質資材が主体の土はフカフカで、通気性や水もち、水はけがよく、イチゴはしっかりと根を張ることができます。
イチゴがよく育つのは、フカフカの土
イチゴの根は酸素を好み、地表近くに多く根を張る性質があります。水はけの悪い土では酸素が不足するため、根の張りが悪くなります。一方で、イチゴの根は乾燥に弱く、春になり葉がふえると、水ぎれにも注意が必要になります。イチゴをうまく育てるには、通気性、水はけ、水もちの3つの条件を満たした培養土を選ぶことが大切です。
ピートモスやバーク堆肥などの有機質資材が主体の培養土は、空気を含んでフカフカとしていて、水はけ、水もちもよくなります。イチゴはしっかりと根を張ることができ、株全体が旺盛に育って甘い実がたくさんつきます。
反対に、土がカチカチにかたくなっていたり、水はけが悪かったりすると、根がしっかり張らず、根腐れを起こしたりして生育が悪くなり、収穫できる量も減ってしまいます。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2014年11月号より