カンアオイ
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カンアオイの育て方・栽培方法

カンアオイ
カンアオイ
カンアオイ
パンダカンアオイ

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栽培カレンダー

*関東地方以西基準

基本データ

園芸分類 山野草
形態 多年草 原産地 関東地方、東海地方東部
草丈/樹高 10~30cm 開花期 10月~12月
花色 暗紫色 栽培難易度(1~5)
耐寒性 普通 耐暑性 普通
特性・用途 常緑性,日陰でも育つ

育て方のポイント

栽培環境・日当たり・置き場

年間を通して、日陰または50%前後の遮光下で管理します。夏は葉焼けを防ぐために75~90%の遮光にしてもよいでしょう。冬も戸外で冬越ししますが、葉をきれいに保ちたいならフレームなどで保護します。九州南部以南に自生する種類の品種は寒さにやや弱いので、5℃前後に保てる場所か、最低限でも凍らない場所へ移動させます。
庭植えの場合は、少し明るい日陰か樹木の下、石や灯籠の陰に植えると大株に育ち、雰囲気がよく見事になります。冬は落ち葉をかけましょう。

水やり

鉢土の表面が乾いてきたらたっぷりと水やりをします。年間を通して、常にほんのりと湿り気を感じる程度の水やりが好ましいでしょう。多少の乾燥には耐えますが、からからに乾いた状態は好ましくありません。

肥料

肥料をとても好みます。芽出し後の3月下旬から夏前の6月下旬までと、9月下旬から10月中旬の間は、2週間に1回、チッ素、リン酸、カリが等量の液体肥料を規定倍率で施します。3月と9月の2回、置き肥を併用するとさらに効果的です。

病気と害虫

病気:白絹病、軟腐病、炭そ病、ウイルス病、葉焼け
株が急にしおれたら白絹病や軟腐病です。芽出しのときに葉が黒く萎縮していたら炭そ病やウイルス病を疑ってください。日ざしが強いとすぐに葉焼けを起こします。

害虫:ナメクジ、ヨトウムシ、アブラムシ、カイガラムシ、コナジラミ、ハダニなど
葉が柔らかい時期にナメクジやヨトウムシの食害に注意してください。この植物は葉の表よりも葉裏に害虫がつきやすく、アブラムシやカイガラムシ、コナジラミ、ハダニなどが見られます。こまめに葉の裏をチェックしてください。

用土(鉢植え)

通気性と水はけを好みますが、乾燥も嫌います。鉢は少し釉薬(うわぐすり)のかかったものか焼き締めで、やや深めの鉢がよいでしょう。
用土は水もちを重視します。赤玉土単用か、それぞれ粒径が2~5mmの赤玉土、鹿沼土、軽石を6:3:1くらいの割合で配合します。

植えつけ、 植え替え

根が発達するので、毎年か2年に1回は植え替えます。

ふやし方

株分け:植え替えの際に芽がふえているものは株分けします。芽の位置から根茎をたどり、長い根が3本以上ついていれば株分けができます。分けやすい位置で節の部分を手やハサミなどで切断して植えつけます。

根伏せ:元気な根茎がたくさんあれば、芽がついていなくても行えます。必ず白っぽく堅い元気な根茎を選び、根をつけた状態で節の部分から切断します。根茎が完全に埋まるくらいに植えておくと、早いものでは半年で発芽します。

タネまき:花後にとりまきします。ただし、自生しているカンアオイは、地表を歩き回る虫たちによって受粉が行われます。栽培下ではなかなかタネができにくいので、タネをとりたいときは人工受粉をするとよいでしょう。タネは培養土にまいて軽く覆土し、日陰に置きます。約半年から1年で発芽を始めます。

主な作業

萼筒の切り取り:タネをとらない場合は、咲き終わった萼筒を切り取ります。

支柱立て:葉傷みを防ぐために、葉がしっかりしたら、葉受けリングをかけると傷みません。

特徴

カンアオイは秋から冬に、里山の落ち葉の中でひっそりと開花します。ハート形の大きな葉を地に伏せて、その根元に、先端が3つに裂けた小さく堅い筒状の花(萼筒)を咲かせます。花に見える部分は萼で、花弁は退化してありません。
常緑性で、花...

種類(原種、園芸品種)

ヒメカンアオイ

ヒメカンアオイ


Asarum takaoiHeterotropa takaoi
本州中部から近畿地方、中国地方、四国にかけて広く分布する小型種。円みのある葉がとてもかわいらしく、小鉢でも楽しめる。
オトメアオイ

オトメアオイ


Asarum savatieri ssp. savatieriHeterotropa savatieri
関東地方南部や伊豆半島に見られる小型種。夏ごろから小さな萼筒を開く。
コシノカンアオイ

コシノカンアオイ


Asarum megacalyxHeterotropa megacalyx
東北地方や北陸の日本海側の山地や里山に多く見られる大型種。萼筒は大輪でよく開き、地下茎が長く伸びて群落をつくる。丈夫で育てやすいが花は黒々としている。
タイリンアオイ

タイリンアオイ


Asarum asaroidesHeterotropa asaroides
中国地方西部から九州中部にかけて見られる大型種。葉も花も大型で、萼筒に強いくびれがある。丈夫で鉢植えでも庭植えでも楽しめ、多くの品種がある。

「趣味の園芸」講師陣、専門家の執筆による植物図鑑

執筆:富澤正美(とみざわ・まさみ)
山野草専門の生産農園、アルペンガーデンやまくさの園主。国内外の多岐にわたる山野草を扱い、世界各地の希少な品種も栽培している。雪割草、キキョウ、ギボウシ、イカリソウなど、交配に力を注ぐ植物も多い。
◆植物図鑑は、原則として作成時の情報に基づき掲載しております。図鑑の作成年によって、科名や属名などが最新の分類とは異なる場合がありますが、何卒ご理解ください。
植物図鑑の項目の見方について >  科名、属名の分類について >
◆植物には規制や保護が行われている種類、無断でふやして販売・譲渡を行ってはいけない登録品種などがあります。また薬剤の使用時は、ラベルをよく読み使用方法を守りましょう。
園芸を楽しむうえで知っておきたいこと >

カンアオイのそだレポ(栽培レポート)

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