クレマチス(春咲き)
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クレマチス(春咲き)の育て方・栽培方法

クレマチス(春咲き)
‘アップル・ブロッサム’
クレマチス(春咲き)
‘ウェッセルトン’
クレマチス(春咲き)
‘エリザベス’

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栽培カレンダー

基本データ

園芸分類 草花,庭木・花木
形態 多年草,つる植物 原産地 北半球の各地
草丈/樹高 20~300cm以上(つるの長さ) 開花期 3月~5月ごろ(種類による)
花色 白,赤,ピンク,緑,青,紫,複色 栽培難易度(1~5)
耐寒性 普通 耐暑性 普通
特性・用途 常緑性(一部落葉性),つる性,香りがある

育て方のポイント

栽培環境・日当たり・置き場

日光を好むので、半日以上よく日が当たる場所で育てるのが理想的です。半日陰でも明るさがあれば、やや花つきが悪くなったり徒長しやすくなりますが、花を楽しむことはできます。
また、置き場の風通しがよいことも大切です。しかし、向きによって風当たりが強くなることがあるので、注意しましょう。
なお、水はけのよい場所や用土が適します。庭植えの場合は、水はけをよくするために、あらかじめ軽石などを加えておくことをおすすめします。

水やり

鉢植えでは、鉢土の表面が乾いたら、鉢底から出るまで、たっぷりと水を与えます。特に夏は乾きやすいので、1日に2回水やりが必要な場合もあります。
庭植えでは、根が活着してしまえば、基本的に水を与える必要はありません。ただし、晴天が長期間続いたり、葉がぐったりとしおれるようなときは、たっぷりと水やりします。
なお、フォステリー系は、晩秋から冬の間に、やや乾かし気味に管理することによって、花芽ができやすくなります。ほかの系統とはやや管理が異なるので、注意しましょう。

肥料

生育期間中にあたる早春から晩秋にかけては、定期的に肥料を施して株を充実させます。緩効性肥料を真夏を除いて1~2か月に1回、液体肥料を月2~3回を目安に施します。なお、植えつけ時には、元肥を施しておきましょう。また、初秋からは、リン酸分、カリ分の多い肥料を施しておくと、花つきがよくなります。さらに、冬の間に寒肥を施しておくと、春の新芽の生育がよくなります。

病気と害虫

病気:立枯病、白絹病、うどんこ病、葉枯病、さび病など
土壌に未熟な腐葉土などが混入していると、立枯病、白絹病などが発生しやすくなります。また、風通しが悪いと、うどんこ病、葉枯病、さび病などが発生しやすくなります。いずれも早めに対処しましょう。

害虫:アオムシ、ナメクジ、アブラムシ、コガネムシ、ヨトウムシ、ハダニなど
葉が食害されたり、葉がすすけたような症状が出たら、害虫の被害です。近年はコガネムシの幼虫による根の食害も発生しています。被害が拡大する前に早めに対処します。

用土(鉢植え)

水はけがよく、水もち、肥料もちのよい用土に植えつけます。例えば、硬質赤玉土小~中粒、硬質鹿沼土小~中粒、完熟腐葉土を4:3:3で配合したものがよいでしょう。
なお、フォステリー系やアトラゲネ系は、軽石の小粒を2割ぐらい混合し、特に水はけをよくしておきます。

植えつけ、 植え替え

真夏を除き、一年中植えつけ、植え替えができますが、休眠中の12月から2月中旬ごろが、最も適します。植え替えは、剪定を兼ねた花後に行うと、作業が楽です。
クレマチスは根を切られるのを嫌うので、植え替え時は、根鉢をていねいに取り扱いましょう。また、クレマチスは移植も嫌います。庭植えにする際は、植え場所をよく考えてから植えつけることが大切です。
鉢植えは、鉢底の穴から根が見えてきたころが、植え替えの目安です。
なお、庭植えでも鉢植えでも、植えつけの際は、つるを1節分、土中に埋めて深植えするのが基本です。

ふやし方

さし木:4月から7月ごろに、清潔な用土に、今年伸びたつるを2節分さします。約2か月で発根し、鉢上げできます。

つる伏せ:4月から7月ごろに、昨年から今年にかけて伸びているつるを1~2節埋め、節から根を出させる方法です。翌春、土から出ているつるを引っ張って、抜けなければ発根した証拠です。親株とつながったつるを、切り離します。

主な作業

花がら摘み:花色がくすんだり、雄しべが散り始めたら、すぐに花首から切っておきます。そのままにしておくと、タネができて株が弱るので、早めに切り取ります。

剪定:花後に花首のすぐ下、あるいは1節下を剪定します。その後に伸びてきたつるは大切に育てます。休眠期中に剪定する場合は、つる先の細い部位を切るのみにします。

特徴

クレマチスは、古くから親しまれているガーデンプランツの一つです。その多くは、長期間にわたって次々と花を咲かせる四季咲きタイプですが、一定の期間に、小輪の個性的な花を咲かせる一季咲きといわれるタイプもあります。なかでも早春から春にかけて咲く種...

種類(原種、園芸品種)

クレマチス・アーマンディー(原種・アーマンディー系)

クレマチス・アーマンディー(原種・アーマンディー系)


Clematis armandii
中国原産の原種。常緑性で生育が旺盛なので、アーチやフェンスに絡ませて楽しむとよい。3月から4月の間、節々に数個ずつ、甘い香りのする花を咲かせる。
‘ウェッセルトン’(アトラゲネ系)

‘ウェッセルトン’(アトラゲネ系)


Clematis macropetala ‘Wesselton’
マクロペタラ系の園芸品種で八重咲き。4月に淡青色の花を下向きに咲かせる。マクロペタラ系のなかでは花は大きいほうで、多花性。やや夏の暑さが苦手。
‘エリザベス’(モンタナ系)

‘エリザベス’(モンタナ系)


Clematis ‘Elizabeth’
4月、4弁の花を咲かせる。モンタナ系のなかでは、一番よい香りがする。生育旺盛で、ぐんぐんとつるがよく伸び、開花時には、株が花で覆われてしまうほど。冬は落葉する。
‘ピクシー’(フォステリー系)

‘ピクシー’(フォステリー系)


Clematis ‘Pixie’
3月から4月にかけて、黄緑色の小輪の花が、株全体に星をちりばめたように咲く。常緑性で、肉厚の小さな葉がとてもチャーミング。ハンギングバスケットやコンテナで楽しみたい。

「趣味の園芸」講師陣、専門家の執筆による植物図鑑

執筆:金子明人(かねこ・あきひと)
園芸店、生花店勤務を経て、現在はプロトリーフ ガーデンアイランド玉川店に勤務。なかでも、クレマチスは日本クレマチス協会理事を務め、著書も多数ある。わかりやすい語り口が人気で、各地で講習会も行う。
※植物図鑑は、原則として作成時の情報に基づき掲載しております。図鑑の作成年によって、科名や属名などが最新の分類とは異なる場合がございますが、何卒ご理解ください。
植物図鑑の項目の見方について >  科名、属名の分類について >

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クレマチス(春咲き)のそだレポ(栽培レポート)

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