熱帯スイレン
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熱帯スイレンの育て方・栽培方法

熱帯スイレン
‘ミスター・マーチン・ランディック’
熱帯スイレン
‘セント・ルイス・ゴールド’
熱帯スイレン
‘マイアミ・ローズ’

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栽培カレンダー

*関東地方以西基準

基本データ

園芸分類 水生植物
形態 多年草 原産地 主に熱帯アフリカ。南米、オーストラリア、熱帯アジアなどの熱帯地域にも分布
草丈/樹高 開花期 7月~10月中旬
花色 白,赤,ピンク,黄,青,紫,複色 栽培難易度(1~5)
耐寒性 弱い 耐暑性 強い
特性・用途 開花期が長い,香りがある

育て方のポイント

栽培環境・日当たり・置き場

生育に適した水温は25℃以上で、15℃以下になると生育が衰えるので、日当たりのよい暖かい場所で育てます。冬越しの方法には2つあります。1つは、熱帯魚の水槽のようなヒーターをつけた水槽に鉢を沈めて加温栽培する方法です。もう1つは、加温せずに休眠させる方法です。休眠させるときは、霜が降りるころまで戸外で栽培し、その後地上部の茎葉を切り、水を入れた発泡スチロールやバケツ、あるいはビニール袋に鉢を入れて、室内の温度変化の小さい場所(10℃くらい)に置いておきます。室内のスペースがないときは、球根を掘り上げ葉と根を落として、練った赤玉土で包み、ビニール袋に入れて保管します。4月から5月になったら戸外での栽培を再開します。休眠させないで加温栽培してきた株の場合は、梅雨明け後に戸外へ移します。

水やり

鉢を水につけておくので日々の水やりは不要ですが、夏に水位が下がらないように注意し、水が減ったら足します。株元から水面までが10cmくらいになる水位が目安です。水が極端に濁ったり、肥料分が溶け出して藻が発生したら、水を全部交換しましょう。

肥料

6月から9月の生育おう盛な時期に、4~6週間に1回程度、固形の発酵油かすあるいは緩効性化成肥料を、株元から離して土に埋め込みます。冬の休眠期には肥料が切れていることが望ましいので、生育が衰えてきたら肥料は施さないようにします。

病気と害虫

害虫:ヨトウムシ、アブラムシ、ボウフラ
ヨトウムシは葉がかじられるので被害に気づきやすく、見つけたら直ちに捕殺します。アブラムシは葉や花茎に多発します。また、植物の害虫ではありませんが、ボウフラやユスリカの幼虫が発生しやすいのでメダカを飼うのも効果的です。ただし、害虫が発生して農薬を散布するときには、魚毒性がないことを確認する必要があります。

用土(鉢植え)

田土が適していますが、入手できないときは荒木田土または赤玉土小粒を練って使用します。市販の水生植物用培養土を用いるのもよいでしょう。

植えつけ、 植え替え

6号鉢くらいの大きさの駄温鉢を用い、ポット苗の根鉢をくずさずに、芽が鉢の中央にくるように植えつけます。植えつけたら水やりし、あらかじめ水を張ったスイレン鉢あるいは大きな容器につけます。水位は、芽の位置から水面までが10cm以上になるようにします。

ふやし方

分球(株分け)でふやします。植え替え時に、もとの根茎に小さい根茎ができていて取り外すことができれば、外して別の鉢に植えつけます。

主な作業

枯れ葉取り:葉が黄色くなったら、葉のつけ根から取り除きます。葉が多すぎて重なる場合も、古い葉を減らしましょう。ほうっておくと水が腐る原因となります。

花がら摘み:咲き終わった花は閉じてうなだれます。そうなったら花茎ごとつけ根から切り取ります。蕾であればしっかり上を向いているので、間違えないよう注意しましょう。

特徴

熱帯スイレンは花茎を水面より上に伸ばして大きな花を咲かせます。花色は温帯スイレンにはない青や紫色があり、多彩で、エキゾチックな雰囲気があります。花は朝開いて夕方まで咲き続けます。また、昼咲きのほか夜咲き性の種類もあります。開花期間も長く、7...

種類(原種、園芸品種)

‘ピンク・パール’


Nymphaea ‘Pink Pearl’
昼咲き性。中輪で、淡いピンク色の花がよく咲く。花つきがよく、美しい。
‘アルバート・グリーンバーグ’

‘アルバート・グリーンバーグ’


Nymphaea ‘Albert Greenberg’
昼咲き性。サンセットカラーと呼ばれるグループの代表的な品種。花弁の中心がオレンジ色で、外に向かうにしたがって色濃くなる。
‘ティナ’

‘ティナ’


Nymphaea ‘Tina’
昼咲き性。明るい青紫色の花が咲くが、季節や栽培条件によって花色は変化しやすい。花つきがよく、秋遅くまで咲き続ける。ムカゴができやすく、繁殖力がおう盛。
‘レッド・フレア’

‘レッド・フレア’


Nymphaea ‘Red Flare’
夜咲き種。濃いブロンズ色の葉と濃赤色の大輪の花。花つきが非常によいうえ、夜8時ごろから翌朝10時くらいまで長く咲く。

「趣味の園芸」講師陣、専門家の執筆による植物図鑑

執筆:島田有紀子(しまだ・ゆきこ)
広島市植物公園に勤務。ベゴニアやペラルゴニウムの仲間などを担当し、保有する豊富な野生種をもとに、耐暑性、耐寒性のあるベゴニアの育種に取り組む。それに止まらず、幅広い植物に精通している。
◆植物図鑑は、原則として作成時の情報に基づき掲載しております。図鑑の作成年によって、科名や属名などが最新の分類とは異なる場合がありますが、何卒ご理解ください。
植物図鑑の項目の見方について >  科名、属名の分類について >
◆植物には規制や保護が行われている種類、無断でふやして販売・譲渡を行ってはいけない登録品種などがあります。また薬剤の使用時は、ラベルをよく読み使用方法を守りましょう。
園芸を楽しむうえで知っておきたいこと >

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