ユリ(百合)
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ユリ(百合)の育て方・栽培方法

ユリ(百合)
‘ソルボンヌ’
ユリ(百合)
‘カサブランカ’
ユリ(百合)
‘コンカドール’

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栽培カレンダー

*関東地方以西基準

基本データ

園芸分類 球根
形態 多年草 原産地 北半球の温帯地域
草丈/樹高 50~200cm 開花期 5月下旬~6月上旬(スカシユリ系)、6月中・下旬(テッポウユリ)、7月中・下旬(オリエンタル系)
花色 白,赤,ピンク,オレンジ,黄,複色 栽培難易度(1~5)
耐寒性 強い 耐暑性 普通
特性・用途 初心者でも育てやすい

育て方のポイント

栽培環境・日当たり・置き場

一般に、テッポウユリ系やスカシユリ系、そのほかヒメユリなど葉の細いユリは日当たりを好み、オリエンタル系やヒメサユリなど葉の広いユリは明るい半日陰を好みます。球根が埋まっている地中の温度が高くなるのを嫌うため、梅雨明け以降は、地面に強い直射日光が当たらない場所や建物の東側など、できるだけ涼しい環境で育てるとよいでしょう。あるいは株元を覆うような下草を植えておきます。さらに、風通しのよい場所が適しています。
水はけのよい土壌を好むので、排水の悪い庭では盛り土をしてレイズドベッドをつくるとよいでしょう。
鉢植えであれば、梅雨と春秋の長雨に当てないよう、鉢を軒下などへ移動させましょう。

水やり

球根植えつけ時に水やりをしたあとは、庭植えの場合は雨にまかせますが、鉢植えの場合は鉢土の表面がよく乾いたときにたっぷりと水やりします。花後も葉が枯れるまでは、土が乾かないように水やりを続けます。

肥料

庭植えの場合は緩効性化成肥料を1㎡当たり100g、鉢植えの場合は緩効性化成肥料を用土1リットル当たり2gを元肥として施します。生育期間中は、2週間に1回程度液体肥料を施します。

病気と害虫

病気:球根腐敗病、青かび病、葉枯病、ウイルス病
球根腐敗病は、葉の緑色が薄くなり、その後暗紫色に変色して株が枯れます。
青かび病は、貯蔵中の球根に茶色の斑点が現れ、やがて腐ります。
葉枯病は、長雨が続くような湿度が高い時期に、葉や蕾に白っぽい小さな斑点が現れ、やがて茶色に変色して広がり、株が枯れます。降雨などによる泥のはね返りが葉に付着しないように、マルチングなどをしておきましょう。
ウイルス病は、葉に緑色の濃淡の筋が現れたり、葉が縮れたり、株が萎縮したりします。最も厄介な病気で、発病した株は抜き取り処分します。

害虫:ワタアブラムシ
ワタアブラムシは、茎が伸び始めるころから発生し、若い葉や蕾の周辺に多くつきます。発生予防として、植えつけ時に浸透移行性の殺虫剤の粒剤を施用しておくとよいでしょう。

用土(鉢植え)

水はけがよく、通気性に富み、適度な保水性のある土が適しています。ユリの種類によって、砂質土壌と腐植質を多く含んだ粘土質土壌を調合しますが、特に球根が腐りやすい野生種などを植える場合は、鹿沼土や日向砂、桐生砂を多めに混ぜます。園芸品種であれば、市販の草花用培養土でかまいません。

植えつけ、 植え替え

植えつけ適期は10月から11月です。庭植えの場合は、土壌を深さ30cm以上よく耕し、球根の高さの1.5~2倍の深さに植えつけます。2~3年は植え替え不要です。
鉢植えの場合は、球根直径の約3倍の直径で、深さのある鉢を選びます。鉢底石を多めに敷いて、球根1個分の深さに植えつけます。上根を十分に張らせることがとても重要です。毎年植え替えます。

ふやし方

大きい球根を植えた場合は、掘り上げると球根が2つに分球していることがあるので、これを分割してふやします。そのほか、種類によって、木子やムカゴができるので、それでふやします。

主な作業

花がら摘み:終わった花だけを摘み、葉を残します。

特徴

ユリは花姿や草姿、開花期などがさまざまで、多くの園芸品種があります。減少したとはいえ、日本には、ヤマユリやササユリ、テッポウユリなどが野山に自生しており、古くから愛されてきました。庭植え、鉢植え、切り花に加え、ゆり根を食用にするなど、さまざ...

種類(原種、園芸品種)

‘エンチャントメント’

‘エンチャントメント’


Lilium ‘Enchantment’
スカシユリ系。斑点のあるオレンジ色の花が上向きに咲く。鉢植えにも庭植えにもできる。ムカゴをつけ、よくふえる。
‘コネチカット・キング’

‘コネチカット・キング’


Lilium ‘Connecticut King’
スカシユリ系。まぶしいほどの黄色の花で、花弁の基部がややオレンジ色を帯びる。花つきがよい。
テッポウユリ

テッポウユリ


Lilium longiflorum
屋久島から琉球の島々に自生。純白の花で、花筒の先がラッパ状に反り、やや下向きまたは横向きに3〜6輪を咲かせる。‘ひのもと’など多くの園芸品種がある。
‘スター・ゲイザー’

‘スター・ゲイザー’


Lilium ‘Star Gazer’
オリエンタル系。濃赤色の大輪の花。オリエンタル系品種の改良のもとになった銘花。

「趣味の園芸」講師陣、専門家の執筆による植物図鑑

執筆:島田有紀子(しまだ・ゆきこ)
広島市植物公園に勤務。ベゴニアやペラルゴニウムの仲間などを担当し、保有する豊富な野生種をもとに、耐暑性、耐寒性のあるベゴニアの育種に取り組む。それに止まらず、幅広い植物に精通している。
◆植物図鑑は、原則として作成時の情報に基づき掲載しております。図鑑の作成年によって、科名や属名などが最新の分類とは異なる場合がありますが、何卒ご理解ください。
植物図鑑の項目の見方について >  科名、属名の分類について >
◆植物には規制や保護が行われている種類、無断でふやして販売・譲渡を行ってはいけない登録品種などがあります。また薬剤の使用時は、ラベルをよく読み使用方法を守りましょう。
園芸を楽しむうえで知っておきたいこと >

さらに詳しく知りたい方におすすめの本

よくわかる栽培12か月 ユリ
日本は美しい野生ユリの宝庫。園芸品種には日本のユリから生まれたものが少なくありません。切り花として人気のカサブランカもその一つ。さらに次々と新しい品種が生まれ、形や色が豊富で大きな花を咲かせるユリは、夏をダイナミックに装います。野生種、園芸品種の紹介、1年間の管理法、咲かせ方、ふやし方を解説します。

ユリ(百合)のそだレポ(栽培レポート)

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