栽培のポイント
マメ科野菜の大きな特徴は「根粒菌と共生」していること。つまり、根粒菌が根に小さな粒々のこぶをつくって寄生し、マメの栄養分を少しだけ分けてもらいながら、空気中のチッ素分を取り込んでアンモニアに変え、豆に栄養分を返しているのです。そのため、化成肥料は通常の半分の量で十分です。チッ素分の多い肥料をたくさんまくと、葉ばかり茂り、実がつきにくくなります。なお、タネを直まきすると、カラスなどの鳥害にあうことが少なくありません。鳥害を防ぐため、ポットで育苗しましょう。
エダマメの栽培でよくある疑問、悩み
Q.品種選びのポイントは?
初心者の方には、タネまきから収穫までの日数が短い「極早生種」や「早生種」をおすすめします。
エダマメは、短日条件(1日のうち夜より昼が短い)で花をつける性質があります。一般的に、極早生種、早生種は、長日条件でも花がつきやすく、早めにタネをまいても収穫までの日数が短いので、つくりやすいとされます。一方、晩生種は、短日性が強く、収穫までの日数がかかる分、栽培はやや難しいといえます。
味の点では、茶マメや黒マメがおすすめなのですが、晩生種が多く、栽培は難しいといわれていました。しかし、最近では早生種や中生種も登場し、さらに通常のエダマメ(青豆、黄豆)でも、茶マメ風の味わいをもったものなど、栽培しやすい改良種が続々と登場しています。
Q.タネまきから10日たったが、芽が出ない
タネをまく時期は問題ありませんので、考えられる原因は2つあります。
1つ目は、タネをまいた直後にカラスやハトなどに食べられてしまった可能性。まいた直後のタネや双葉は鳥の大好物なので、ねらわれたのかもしれません。タネまき後は寒冷紗(かんれいしゃ)のべたがけなどで、初生葉(双葉の次に出る葉)が出るまで覆っておくと被害を防ぐことができます。
2つ目は、タネをまく前に、6時間以上水につけてしまうと発芽率がぐんと落ちてしまうので、もし水につけていたとしたら、それが原因だったかもしれません。
Q.株は大きく育つが、実つきがよくない
肥料(特にチッ素分)のやりすぎかもしれませんね。エダマメやインゲン、エンドウなどのマメ科植物の根には、「根粒菌(こんりゅうきん)」という菌が共生しています。そのため、前作で肥料をたっぷり与え、肥料分が残っているような場所は、エダマメの栽培には向きません。
肥料を少なめにしたにもかかわらず、実つきが悪い場合は、カメムシなどの害虫のしわざかもしれません。
Q.収穫時期の見分け方は?
エダマメの収穫適期は、6~7日ほどといわれています。このため、タイミングを逃さず収穫することが大事です。
品種によって、タネまきから収穫までの日数が異なるので、タネ袋の説明書きを確認し、目安にするとよいでしょう。
見た目では、1つの株についているさやの全体の7~8割がふくらみ、指で押すと中の豆がはじけるぐらいのころがベストなタイミングといわれます。さやが全部ふくらむのを待っていると、とり遅れる可能性があるので注意しましょう。家庭菜園では、株ごと収穫せずに、大きくなったさやから順に切り取って収穫する方法もおすすめです。
◆質問・回答は、
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特徴
ダイズを若どりしたもので、タネまきから約3か月の短期間で収穫できます。タネまき後の鳥害、開花期のカメムシなどの虫害を防ぐために、防虫ネットをフル活用。タネまき直後から収穫まで、かけたままにしておきます。
豊富なビタミン類と良質の...