栽培のポイント
ウリ科野菜の連作を避け、つぎ木苗を利用しましょう。根が浅く、水平に伸びるので、土づくりのときに堆肥などの有機物をたっぷり入れて深めに耕します。肥料切れさせないように植えつけ2週間目から2週間に1回、追肥を行います。花が咲いて1週間で収穫でき、生育の早さは驚くばかりで、収穫の時期は毎日目が離せません。
キュウリの栽培でよくある疑問、悩み
Q.最初につく実(一番果)は、どのぐらいの大きさでとるの?
一番果を早めにとる理由は、株を疲れさせないようにするためです。生育初期に実を大きくさせると、ダメージが大きいのです。
大きさの目安ですが、プロの生産農家では、一番果は大人の小指ほどの長さでとってしまうことがよくあるのですが、家庭菜園では、長さ10cmぐらいを目安にすればよいでしょう。同様に、二~三番果ぐらいまでは、若どりを心がけます。
Q.雌花しか咲かない
最近のキュウリの品種は、「節なり型」といって、各節に雌花がつくタイプのものが多く見られます。
本来、ウリ科の野菜は雄花と雌花が別々に咲きますが、下のほうの節から雌花がそろって次々に咲くことで、省スペースでたくさんの果実が、早い時期から収穫できるようにと、品種改良されたのです。
ただ、キュウリには「単為結果(たんいけっか)」といって、雄花がなくても(受粉しなくても)実がつく性質があるので、雌花しか咲かなくても心配する必要はありません。
Q.巻きひげは切ってもよい?
キュウリは、近くにあるものに巻きひげを伸ばして、からみつきながら成長する野菜です。巻きひげがほかの野菜にからんで成長が妨げられる場合には、切ってもキュウリ自体の生育には影響しません。
Q.葉の表面が白くなった
葉の表面が白っぽく粉がふいたようになる状態は、おそらく「うどんこ病」だと思います。うどんこ病は、多くの野菜がかかる代表的な病気の一つです。一度かかってしまうとなかなか治らないので、症状の見られる葉を取り除いたり、うどんこ病に適用のある農薬を使って、早め早めに対処するのがポイントです。
Q.キュウリが細くてブカブカ
キュウリは、重量の約95%が水分です。そのうえ1日に約3cmずつ成長しますから、1株当たり毎日2リットルもの水が必要になります。
このようなケースは、水分が不足していたか、茎のつけ根が割れる「つる割病」になり、水を十分に吸収できなかったことが原因だと考えられます。
Q.茎が茶色くなり、割れてきた
連作による「つる割病」だと思われます。カビの仲間が原因で起こる病気で、ウリ科野菜を連作すると発病しやすくなります。回復の方法はなく、それ以上は育ちません。株ごと引き抜いて処分しましょう。
Q.なぜ曲がった実ができる?
キュウリの実が曲がるのは、そもそも株が老化しているということです。水分や養分の不足、葉が病害虫などにやられていた、などの原因が考えられます。こうなると実に空洞ができたり、とっくりのような形の実ができたりします。
定期的に追肥を行い、乾燥が続くようならたっぷりと水やりをしながら育てれば、8月上旬まではおいしい果実を収穫できるはずです。
◆質問・回答は、
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特徴
キュウリの95%は水分。それだけにもぎたてが一番おいしく、時間がたてばたつほど、食味が落ちます。もぎたてのキュウリに味噌をつけて食べる、そんな食べ方ができるのは自分で育てればこそ。
キュウリのふるさとは、インド北西のヒマラヤ山麓...