サトイモの育て方・栽培方法
栽培カレンダー
中間地の主な作業
基本データ
育て方のポイント
栽培のポイント
サトイモは、芽が出ているタネイモを植えつけると生育がよいので芽の出たタネイモを植えつけます。なお、タネイモは食用のものでもかまいません。定期的な追肥・土寄せが大切です。夏の乾燥期には水を与えます。寒さに弱いので霜が降りる前に収穫します。掘り上げたイモは寒さにあうと傷むので、土中や室内で保存します。
サトイモの栽培でよくある疑問、悩み
Q.芽がなかなか出ない
タネイモの状態や地温にもよりますが、発芽までには約1か月かかります。1か月以上たっても芽が出ないとしたら、深植えが原因かもしれません。サトイモは20cm以上深く植えると発芽しにくい性質があるので、10cmほどの深さで浅植えするのが基本です。タネイモの上にかける土の厚さは7~8cm程度にします。また、イモが腐っていたり、芽の部分が傷んでいたりしても芽が出ないことがあります。
Q.真夏に株が弱ってきた
真夏の晴天が続いているときなどは、水不足か、アブラムシの被害が考えられます。サトイモは乾燥にとても弱く、一度カラカラに乾いてしまうと、なかなか回復しません。イモの収穫量も減ってしまうので、高温乾燥が続くときは、たっぷりと水やりをしてください。株元にワラやトウモロコシの枯れ茎などを敷いて、マルチングをするのも乾燥防止に役立ちます。また、高温期に乾燥が続くと、アブラムシが葉裏などにびっしりとつき、株の勢いがぐっと弱くなることがあります。葉を一枚一枚見て回り、見つけたら粘着テープなどでこまめに捕殺します。水やりするときに葉裏にシャワー状に勢いよく水をかければ、アブラムシも洗い落とすことができて一石二鳥です。
Q.収穫したら、小さなイモしかできていなかった
サトイモは熱帯アジア原産で、生育適温は25~30℃と高温を好む野菜。雨の多い湿った環境が好きなので、梅雨明け後に乾燥が続くときは、週に1~2回ほど水をたっぷり与え、敷きワラをして乾燥を防ぐとイモが大きく育ちます。
月に1回程度の追肥、土寄せも生育に欠かせません。少しずつ土を寄せることによってイモが太るスペースができ、肥大が進みます。また、サトイモは葉柄の基部が太ったもの(球茎)なので、光に当たると緑色になり、味にもえぐみが出てしまいます。光に当たらないようにするためにも、株元への土寄せは忘れずに行い、霜の降りる前に収穫を済ませましょう。
Q.プランター栽培は可能?
春に植えつけて秋に収穫するサトイモは、生育期間が長く、草丈が1m以上と大きく成長するので、プランターでの栽培は難しいでしょう。また、乾燥にも弱く、イモの肥大には土寄せも欠かせません。このような点からもサトイモは、土の量が限られたプランターでの栽培はおすすめできません。
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特徴
サトイモ(里芋)は熱帯アジア原産で、主に子イモを食べるもの、親イモを食べるもの、両方を食べるものがあります。主な手入れは、月に1回の追肥と土寄せだけと手軽。
生育適温は25~30℃。高温多湿を好み、乾燥には弱いので、夏場は株元に...
種類(原種、園芸品種)
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土垂(どだれ)
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特に関東地方で多く栽培される、代表的な品種。ぬめりが多く、煮崩れしにくい。晩生(おくて)で収穫は10〜11月だが、貯蔵性が高い。
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石川早生(いしかわわせ)
- 早生品種で、中間地では8月ごろから、宮崎県などの暖地では7月から収穫できる。比較的小ぶりで、皮がツルリとむきやすい。
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女早生(おんなわせ)
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愛媛県の在来品種。コロコロ丸い小イモ、孫イモがたくさんつく。肉質は白く、きめ細かくもっちりとした食感。
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セレベス
- 芽が赤いことから「赤芽イモ」とも呼ばれる。イモは大きめでぬめりが少なく、ホクホクとした食感。インドネシアのセレベス島が発祥といわれる。
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執筆:藤田 智(ふじた・さとし)
恵泉女学園大学人間社会学部園芸文化研究所教授。大学での指導のほか、各地で社会人を対象にした講演や菜園指導なども行う「野菜づくりの伝道師」。テレビやラジオへの出演、雑誌や書籍の執筆など、幅広く活躍している。
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