栽培のポイント
土づくりは苦土石灰をやや多めに散布し、堆肥は完熟のものを使い、リン酸分の多い肥料をまきます。マルチを張って植えつけますが、苗は太さが7~8mmのものを選びます。これ以上太いものは寒さに当たると花芽ができてしまい、春にネギ坊主が出て、玉が太りません。
タマネギの栽培でよくある疑問、悩み
Q.肥料は多ければ多いほどよい?
肥料が多ければよいというわけでは決してありません。やればやるほど大きく育つ傾向はありますが、タマネギの場合は、その後の貯蔵性が低く、腐りやすくなります。「過ぎたるは及ばざるが如し」ということわざがありますが、肥料は適量を守り、与えすぎにはくれぐれも気をつけましょう。
Q.ネギ坊主(花芽)がたくさんついてしまう
タマネギが翌春、見事に丸くなるか、ネギ坊主が出てしまうかの違いは、一般的には植えつけたときの苗の根元の太さによります。
植えつける苗の根元の直径は7~8mm、長さは25~30cmのものがよく、このような苗を植えれば、立派なタマネギができます。逆に直径が15mm以上の太い苗だと、冬の寒さに反応して翌春、ネギ坊主(花芽)が多くついてしまいます。また、直径3mmくらいの細い苗では、寒さや霜柱の影響で枯れてしまうことがあります。今後は苗の太さにも気をつけてつくってみてください。
Q.葉タマネギの収穫方法は?
葉タマネギは、玉が大きくなる前に収穫した早どりのタマネギで、葉ごと利用します。茎(玉)の部分は薄切りにしてサラダや炒め物などに、葉はネギのように薬味にしたり、ぬたなどにして食べるとおいしく味わえます。
収穫は3月ごろ、玉の直径が2~3cmになったものを引き抜きます。
Q.収穫しようと思ったら、葉が溶けたような状態になっていた
もう少し早めに収穫すべきでしたね。タマネギの収穫のタイミングは、葉が7~8割倒れたころ(早生品種では5月中旬、中生、晩生品種では、6月上旬以降)です。倒れた状態でもタマネギは肥大しますが、倒れた葉が雨に当たると、葉が溶けたようになり、玉が腐ってしまうこともあります。
Q.タマネギの上手な保存方法は?
タマネギの長期保存には「つり玉貯蔵」という方法があります。
葉が7~8割倒れたら、葉をつけたまま抜き取って収穫し、そのまま1~2日菜園に並べて乾燥させます。
その後、ひもの両端に5個ずつ束ねて縛り、つり玉状にして風通しのよい軒下などにつるします。こうすれば、早生品種は8月ごろまで、中晩生品種は9月ごろまで貯蔵できます。
ちなみに、収穫後間もなく食べる分や長期保存には向かない早生品種は、葉を切り落として冷蔵庫などで保管し、早めに食べきってしまいましょう。
Q.「ホームタマネギ」の育て方は?
タマネギは、秋に苗を植えて、翌年の春から収穫する方法が一般的ですが、直径2~2.5cmの小さな球根(子球)を夏の終わりに植えて、冬に収穫する方法があります。これを「オニオンセット栽培」といい、ホームタマネギは、このセット栽培用の子球のことです。
植えつけから80~90日でとれたての新タマネギが収穫できるので、家庭菜園やプランターなどでもおすすめの栽培法といえます。
植えつけは、中間地で8月下旬から9月上旬が適期です。具体的な方法は、土づくりをした畝に、15~20cm間隔で子球の上部が少し土から出るぐらいに埋め込んで植えつけます。収穫は11月下旬ごろから始まります。葉タマネギを収穫する場合は、植えつけ後60~75日の、玉が太り始めるころに収穫します。
◆質問・回答は、
『野菜づくり徹底Q&A』(NHK出版)から一部を抜粋しています。これ1冊でお悩み解決!野菜73種の「ギモン」が満載
『もっと知りたい野菜づくりQ&A』もおすすめです。
特徴
タマネギは、煮ても焼いても炒めても、生食でもおいしいキッチンの常備野菜。
冬の寒さに当たって球が太るので、栽培スタートのチャンスは年に1回、晩秋から初冬のみ。植えつけが遅れると寒さでうまく育たなくなるため、タイミングを逃さずに植...