学名:Tanacetum vulgare
和名:ヨモギギク 英名:tansy
その他の名前:common tansy、buttons
科名 / 属名:キク科 / ヨモギギク属
タンジーはキク科の多年草で、ジョチュウギク(除虫菊、和名 シロバナムシヨケギク、Matricaria parthenium,Tanacetum cinerariifolium)やナツシロギク(T. parthenium、異名フィーバーフュー)の近縁種です。切れ込みのある深緑色の葉に、直径1cmほどの丸いボタンのような黄色い花がよく映え、夏の花壇を鮮やかに彩ります。キク科でも舌状花がない点がヨモギに似ることから、ヨモギギクと名づけられました。適地では、花の時期には高さ120cmに達する宿根草で、花壇の背景に植えると存在感があります。
シダに似た長さ20cmほどの葉には、樟脳に甘さと苦さを加えたような香りがあります。ハーブでつくる香りの花束、タッジーマッジーの周囲をこの葉で縁取ると、花々の可憐さを引き立てるとともに、芳香を増す役割を果たすので、おすすめします。
16~17世紀のイギリスでは、芳香と虫よけの目的で床にまき散らしたり、防虫用匂い袋(モスバッグ)に入れてリネンの棚や食品庫に置いたりしました。束にして窓際に吊るし、ハエなどの虫が室内に入るのを防ぐのにも使われました。現在でも、ノミよけにペットの寝床の下にまいたり、アリを防ぐ目的でカーペットの下に敷いたりします。また、コンパニオンプランツとして果樹などのまわりに植えて、害虫防除にも利用されます。「虫よけなので虫媒花の作物のまわりには植えないほうがよい」という説もありますが、すべての虫が忌避するわけではないため、その心配は無用でしょう。英国王立園芸協会(RHS)でも、花粉を媒介するハチなどのさまざまな昆虫に蜜や花粉を提供する植物の一つとして、タンジーが“RHS Perfect for Pollinators Plants”に選ばれています。
染色用ハーブとしても有名で、絹やウールの染料とします。花はアルミ媒染で黄色に、茎葉は銅媒染によってウールをくすんだ緑色に染めます。
かつては内服薬や料理の香りづけに使われることもありましたが、現在では、飲食を含め内用は危険とされます。また、キク科植物にアレルギーがある場合は、接触性皮膚炎の報告があるので注意が必要です。また、タンジーを水蒸気蒸留して得られる精油は、毒性のある成分ツヨンの含有量が多く、危険なのでアロマテラピーでは使用できません。アロマテラピーで用いるブルータンジーオイルは、タンジーとは別種の植物から蒸留されます。
目立つ病害虫はなく、栽培に手がかかりません。地下茎を伸ばす丈夫な多年草で、株分けやさし芽でふやすのも容易です。やや広めの植え場所が確保できれば、初心者に育てやすいハーブの一つといえるでしょう。
日本には、変種とされるエゾヨモギギク(Tanacetum vulgare var. boreale)が北海道の海岸などに自生していますが、環境省レッドリスト2017で絶滅危惧Ⅱ類に指定される希少な植物です。
<タンジーの利用法>
香料用:精油/香水
クラフト用:ポプリ、染色、花束、ドライフラワー
園芸用:花壇、コンパニオンプランツ
薬用:防虫剤、駆虫剤
園芸分類 | 草花,ハーブ | ||
---|---|---|---|
形態 | 多年草 | 原産地 | ヨーロッパ、中央アジア |
草丈/樹高 | 50~120cm | 開花期 | 8月~9月/収穫期:6月~9月(葉)、8月~9月(花) |
花色 | 黄 | 栽培難易度(1~5) | |
耐寒性 | 強い | 耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 香りがある,耐寒性がある,初心者でも育てやすい | ||
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