学名:Jasminum sambac
和名:マツリカ(茉莉花) 英名:arabian jasmine その他の名前:サンバックジャスミン、アラビアンジャスミン、ピカケ、サンパギータ
科名 / 属名:モクセイ科 / ソケイ属
マツリカは、香料用植物として知られるジャスミン(Jasminum, ソケイ属)の1種で、漢方では花と根を生薬として用います。仏陀の歯にたとえられる純白の花はやや肉厚で、クチナシに似た強い香りを放ち、仏教では仏の住む国に香るとされます。夏の夕方から早朝に花開き、時間がたつと紫がかったピンク色に変色する一日花ですが、涼しい気温の初夏や秋口にはより長もちします。
中国では、早朝に摘んだ生花の香りを緑茶に移したり、乾燥した蕾をウーロン茶に混ぜたりして、ジャスミンティーがつくられています。和名のマツリカは、漢名の茉莉花を日本語読みしたものです。
ハワイでは、カイウラニ王女がマツリカの花と孔雀(ピーコック)の両方を好んだことから、孔雀を意味するピカケと呼ばれています。花でかぐわしいレイ(花輪)がつくられ、愛情の象徴として花嫁の首にかけられます。
タイではシリキット王妃の誕生日である8月12日が母の日と定められ、この日にマツリカの花輪を母親に贈る風習があります。母の日以外にも、ほかの花と合わせた花飾りが寺院や祠に献花されているのをよく見かけます。
フィリピンではサンパギータと呼ばれ、インドネシアと同様、国花として親しまれています。
自生地の熱帯アジアでは半つる性の常緑低木で、地植えで一年中花を咲かせますが、沖縄以外の日本では鉢植えにして室内で冬越しさせるほうが無難で、夏の花を楽しみます。
本格的なジャスミンティーをつくるには茶葉と同量のマツリカの花が必要といわれますが、鉢で育てたマツリカの花を1輪、緑茶と一緒に急須に入れるだけでも、手軽に香りを楽しむことができます。
マツリカと混同されることがある植物に、ナス科のニオイバンマツリがありますが、半耐寒性で、香りのある花は紫色から白色に変化するので、区別できます。
<マツリカの利用法>
飲食用:ハーブティー、花酒、デザートの香りづけ
香料用:精油/アロマテラピー、トイレタリー化粧品
クラフト用:花束
園芸用:鉢花、地植えで冬越し可能な地域では生け垣
薬用:漢方では花の茶剤を鎮静に
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園芸分類 | ハーブ,庭木・花木,熱帯植物 | ||
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形態 | つる植物(半つる性),低木 | 原産地 | 熱帯アジア |
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草丈/樹高 | 150~300cm(鉢栽培では40cm~) | 開花期 | 7月~9月/収穫期:7月~9月 |
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花色 | 白 | 栽培難易度(1~5) | ![]() ![]() |
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耐寒性 | 弱い | 耐暑性 | 強い |
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特性・用途 | 香りがある,常緑性(寒さで落葉することもある),耐暑性が強い,開花期が長い,半つる性 | ||
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