ゲラニウム(高性種)
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ゲラニウム(高性種)の育て方・栽培方法

ゲラニウム(高性種)
‘ジョンソンズ・ブルー’
ゲラニウム(高性種)
ゲラニウム・プラテンセ(ノハラフウロ)の園芸品種
ゲラニウム(高性種)
ゲラニウム・ファエウム‘アルバム’

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栽培カレンダー

基本データ

園芸分類 山野草,草花
形態 多年草 原産地 多くはヨーロッパ、小アジア、ヒマラヤ~中国南西部
草丈/樹高 40~60cm前後 開花期 4月~6月
花色 ピンク,白,紫 栽培難易度(1~5)
耐寒性 強い~きわめて強い 耐暑性 やや弱い
特性・用途 落葉性,耐寒性が強い,初心者でも育てやすい

育て方のポイント

栽培環境・日当たり・置き場

鉢植えは、午前中は日なたで午後は明るい日陰になる場所か、一日中明るい日陰で栽培します。暑い6月から9月上旬は50~60%の遮光下に置いて日焼けや高温障害を防ぎます。冬は北風にさらされないような場所に置きます。
庭植えにする場合は落葉樹の下などが好適です。やや湿った場所に植えつけます。10~20cmほど土を盛ってから植えるとよく生育します。関東地方南部以西では鉢植え用の用土を客土します。

水やり

鉢植えは表土が乾き始めたら十分に水を与えます。庭植えの場合も同様です。鉢植えは二重鉢にしておくと、よく育ちます。

肥料

植え替えの際に、元肥としてリン酸とカリウムが多めの緩効性化成肥料を、5号鉢で三つまみ施します。3月から9月にかけて月1回、草花用の液体肥料を1500~2000倍に薄めて施します。真夏の間は3000倍程度に薄めたほうが無難です。

病気と害虫

病気:軟腐病、うどんこ病
軟腐病は、用土を水はけのよいものに替え、茎のつけ根から上部を粗い砂利で覆うとかなり予防できます。うどんこ病はあまり重症化しませんが、発病した葉を早めに取り除いてまん延を防ぎます。

害虫:ヨトウムシ、アブラムシ、ハダニ
特に夏のハダニは重症化することがあるので、早めに対処します。

用土(鉢植え)

関東地方南部以西の平地では、軽石、硬質鹿沼土(または日向土)、桐生砂(または赤玉土)の各小粒を等量または2:4:4の割合で混ぜて用います。市販の山野草用の土も使えます。いずれの場合も水で1回よく洗ってみじんを完全に抜きます。赤玉土はふるいでしっかりふるっておきましょう。庭植えの場合は赤玉土は用いません。
寒冷地では、腐植質に富んだ水はけのよい土であれば、土質を選びません。赤玉土小粒と腐葉土を7:3で混ぜたもののほか、市販の草花用培養土でもよく育ちます。

植えつけ、 植え替え

毎年、芽が出る直前の2月から3月上旬に行います。タネから育てた苗は成長に合わせて、時期を問わず一回り大きい鉢に植え替えます。
庭植えの場合は3~5年に1回掘り上げて、株分けや整理を行います。

ふやし方

タネまき:とったタネを冷蔵庫に保管して翌年の2月から3月上旬にまきます。タネは皮が厚くそのままでは発芽率が悪いので、剥皮処理(ヤスリでタネの一部を白い部分が見えるくらいに削る)しておきます。発芽率はよいので厚まきにならないように注意します。まいたタネは順調であれば2年目に開花します。

株分け:植え替えと同時に行います。古くなった根茎を、自然に分かれている部分で分けます。根茎がつながっていても、それぞれの芽に十分に根がついている場合はナイフなどで切り分けることもできます。その場合は切り口に癒合剤や殺菌剤を塗って保護するとよいでしょう。

主な作業

支柱立て:茎が倒れるようなら支柱を立てます。株ごとまとめて支えられるあんどん支柱が好適です。

採種:7月から9月にかけて果実が茶色くなり始めたら、そのつどタネを果実ごと採種して紙袋に入れて封じておきます。2~3日で果実がはじけるので、茶色の楕円形または球形のタネを集めます。園芸品種は原則的に株分けでふやします。

特徴

ゲラニウム(フウロソウ属)にはいろいろな種類がありますが、ここでは草丈が40cm以上になり、関東地方でも宿根草として栽培できるグループについて説明します。
多くの種類は、ヒマラヤから中国南西部、あるいはヨーロッパや小アジア原産の...

種類(原種、園芸品種)

ゲラニウム・プラテンセ(ノハラフウロ)

ゲラニウム・プラテンセ(ノハラフウロ)


Geranium pratense
ヨーロッパからシベリアに分布し、草原などに自生する。草丈60〜70cm、茎は直立して枝を多く出す。花径は4cm前後で薄紫色、横向きかやや上向きに咲く。葉は深く5裂し、さらに細かく切れ込む。分布が広いため変異が多く、園芸品種も多い。
ゲラニウム・ヒマライエンセ

ゲラニウム・ヒマライエンセ


Geranium himalayenseGeranium grandiflorum
アフガニスタン北西部からネパール中部に分布し、標高2100〜4300mの森林内の開けたところや草原に生える。根元に多くの葉を茂らせ、草丈30〜40cm。花は大きさが直径4cm強、はっきりした青紫色で横向きかややうつむいて咲く。葉は5裂して幅が広い。
‘ジョンソンズ・ブルー’

‘ジョンソンズ・ブルー’


Geranium‘Johnson's Blue’
ゲラニウム・ヒマライエンセとゲラニウム・プラテンセとの交配種。姿はゲラニウム・プラテンセにそっくりで草丈50cm前後、直径5cmほどの大きな青紫色の花を咲かせる。ただし花の色は気温の変化を受けやすく、温暖地では薄い赤紫色になることもしばしばある。時折‘ジョンソンズ・ブルー’の名でゲラニウム・プラテンセが販売されていることがある。
ゲラニウム・ファエウム

ゲラニウム・ファエウム


Geranium phaeum
ピレネー山脈からロシア西部に分布し、亜高山帯の草原や森林などに見られる。草丈50〜70cmほど、上部で枝分かれする。花は直径2cmほどで特異な黒紫色から紫褐色、下向きに咲き、花弁はやや反り返る。葉は7〜9裂し、しばしば赤紫色の斑紋がある。花色や葉の模様に特色のある多くの園芸品種がある。

「趣味の園芸」講師陣、専門家の執筆による植物図鑑

執筆:辻 幸治(つじ・こうじ)
1976年、大阪生まれ。ホームセンター勤務を経て、現在は園芸分野の執筆活動も精力的に行う気鋭の園芸家。江戸の園芸文化から、海外のワイルドフラワーまで、幅広く植物に精通している。
◆植物図鑑は、原則として作成時の情報に基づき掲載しております。図鑑の作成年によって、科名や属名などが最新の分類とは異なる場合がありますが、何卒ご理解ください。
植物図鑑の項目の見方について >  科名、属名の分類について >
◆植物には規制や保護が行われている種類、無断でふやして販売・譲渡を行ってはいけない登録品種などがあります。また薬剤の使用時は、ラベルをよく読み使用方法を守りましょう。
園芸を楽しむうえで知っておきたいこと >

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