スミレ
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スミレの育て方・栽培方法

スミレ
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栽培カレンダー

*関東地方以西基準

基本データ

園芸分類 山野草,草花
形態 多年草 原産地 日本列島、中国東北部から東部、朝鮮半島、ウスリー
草丈/樹高 10cm前後 開花期 4月~5月(促成品は2月ごろから)
花色 紫,ピンク,白 栽培難易度(1~5)
耐寒性 強い 耐暑性 強い
特性・用途 落葉性,耐寒性が強い,盆栽向き,初心者でも育てやすい

育て方のポイント

栽培環境・日当たり・置き場

鉢植えは日なたで育てます。夏に葉が日焼けしたり黄ばんだりする場合は、少し遮光(20~30%)をするか、午前中は明るい日陰へ移します。庭植えの場合は何よりも日当たりのよいことが第一条件で、芝生の中などが適しています。

水やり

鉢植えは表土が乾いたら十分に与えます。庭植えのものはよほど乾燥が続かないかぎり必要ありません。

肥料

鉢植えでは、元肥として、リン酸とカリウムが多めの緩効性肥料を3号鉢で二つまみ程度施します。春から秋まで月2~3回、三要素等量か、リン酸とカリウムが多めの液体肥料を2000~3000倍に薄めて施します。
庭植えの場合はほとんど必要なく、施したいなら9月から10月に、リン酸とカリウムが多めの緩効性肥料を、鉢植えと同程度の量を株の周囲にばらまいておきます。

病気と害虫

病気:そうか病、うどんこ病
そうか病は主に晩春から初夏と秋に発生します。茎や葉柄を中心に白いかさぶた状のものができて、ときにはもろく折れます。雨を避けることが最も有効な防除方法です。
うどんこ病は5月から8月に発生し、葉の表面に白っぽい粉をかけたようなカビが生えます。あまり重症化はしませんが、見た目はよくありません。

害虫:アブラムシ、ハダニ、ヨトウムシ、ツマグロヒョウモン、ネコブセンチュウ
アブラムシは主に春、ハダニは夏、ヨトウムシ(ヨトウガの幼虫)とツマグロヒョウモンの幼虫は主に春から秋に発生します。ヨトウムシは温暖な都市部では一年中見られることもあります。
ネコブセンチュウは土中にすむ害虫で、主に春から秋に発生し、根が傷んで株の成長がひどく悪くなります。鉢植えの場合、棚の上に置いて地面から離すことが効果的な防除方法です。

用土(鉢植え)

根が長く伸びるので、深鉢に植えます。あまり小さい鉢は適しません。
土質を選ばず、普通の草花用培養土や野菜用培養土で問題なく育ちます。培養土と腐葉土を7:3で混ぜて使うとよいでしょう。
斑入りなどのやや性質が弱い株は、硬質鹿沼土(または日向土)、軽石、赤玉土(または桐生砂)の各小粒を等量に混ぜたものを使います。山草鉢のような乾きやすい鉢に植えるときは、軽石の量を減らすか、赤玉土の量をふやして、もう少し水もちをよくします。

植えつけ、 植え替え

毎年植え替えます。夏の終わりから初秋、または生育開始前の2月から3月に行います。タネまきや根伏せで育てた苗は、成長に合わせて随時、一回り大きな鉢に植え替えていきます。小鉢に植えられた株を購入したときは、すぐに地面に植えるか、3号鉢に植え替えます。

ふやし方

タネまき:完熟種子をまく方法と、未熟種子をまく方法の2つがあります。
完熟種子の場合は、果実が上を向いてきたら完熟間近なので、果実に小さな袋をかけ、飛び散るタネを集めます。完熟種子は一度低温に当たらないと発芽しないので、冷蔵庫で1~2か月以上、湿らせた川砂と混ぜて保管(低温湿潤処理)してからまきます。
未熟種子は、果実が真上を向いてやや硬くなったころに果実を割り、中のタネを取り出して、とりまきします。未熟種子はまいてから1週間ほどで発芽します。
タネまき用土は親株と同じものを使います。苗床はあらかじめ熱湯消毒しておくとよいでしょう。タネに2mmほど覆土し、鉢底から水を吸わせます。乾燥しないように管理し、冬は凍結しないように、北風を避けられる場所に置きます。

根伏せ:根を使ってふやす方法です。なるべく若い根を5~6cmほどの長さに切り、切り口を鋭いカッターなどで切り直します。1本の根から数本切り分けても大丈夫です。親株と同じ用土に、切り口が見えるか見えないか程度に土をかけて植えておきます。

株分け:植え替えの際に、株が自然に分かれる部分で分けて植えます。茎の古い部分や、傷んだ根は切り捨てます。

主な作業

採種:病害虫の被害を受けたときや、2~3年で株が寿命を迎えたときに備え、実ったタネは可能なかぎり集めて、冷蔵庫に保管します。

特徴

単に「すみれ」と聞いて多くの人が思い起こすのが、このスミレかタチツボスミレでしょう。スミレは日当たりのよい草地や田畑のわき、堤防、道端などに生える多年草です。根元から多数の葉や花茎を伸ばし、花茎の先に花径2cm前後の濃紫色の花を1輪つけます...

種類(原種、園芸品種)

アリアケスミレ


Viola betonicifolia var. albescens
花は色合いが繊細で、白地に紫の脈が入る。ふつう、スミレよりやや遅れて開花する。本州から四国、九州の日当たりのよいやや湿った場所に分布。
ヒメスミレ

ヒメスミレ


Viola inconspicua subsp. nagasakiensis
草丈5cm前後、花は1cmほどと小さいが、根は太くて長く、小さな鉢に押し込めると調子をくずして枯れる。秋田県以南の本州から四国、九州の道端などに分布。
ノジスミレ

ノジスミレ


Viola yedoensis
花は青みが強く、少しよじれたように咲く。ふつう全体に微毛があり、葉は横に広がる。秋田県以南の本州から四国、九州の平地や低山に分布。
コスミレ

コスミレ


Viola japonica
花つきがとてもよく、ときに株を覆うほど咲く。草丈は5〜10cmと低い。葉は幅広く、先がとがった卵形。日本列島の広い範囲の平地や低山に分布。

「趣味の園芸」講師陣、専門家の執筆による植物図鑑

執筆:辻 幸治(つじ・こうじ)
1976年、大阪生まれ。ホームセンター勤務を経て、現在は園芸分野の執筆活動も精力的に行う気鋭の園芸家。江戸の園芸文化から、海外のワイルドフラワーまで、幅広く植物に精通している。
◆植物図鑑は、原則として作成時の情報に基づき掲載しております。図鑑の作成年によって、科名や属名などが最新の分類とは異なる場合がありますが、何卒ご理解ください。
植物図鑑の項目の見方について >  科名、属名の分類について >
◆植物には規制や保護が行われている種類、無断でふやして販売・譲渡を行ってはいけない登録品種などがあります。また薬剤の使用時は、ラベルをよく読み使用方法を守りましょう。
園芸を楽しむうえで知っておきたいこと >

スミレのそだレポ(栽培レポート)

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