雪割草
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雪割草の基本情報

学名:Hepatica nobilis var. japonica
和名:ユキワリソウ(雪割草)
その他の名前:オオミスミソウ、ミスミソウ、スハマソウ、ケスハマソウ、地桜花、雪割り草

科名 / 属名:キンポウゲ科 / ミスミソウ属

雪割草
雪割草
雪割草

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雪割草とは

特徴

雪国の春を彩る雪割草(ユキワリソウ)は、ほかの花に先駆けて色とりどりの花を開くことから、多くの人に親しまれています。一般に「雪割草」と呼ばれるものには、オオミスミソウ、ミスミソウ、スハマソウ、違う変種のケスハマソウがあり、それぞれ自生地が異なります。
ここでは、最もよく親しまれているオオミスミソウ(Hepatica nobilis var. japonica f. magna)を紹介しましょう。北陸地方以北の本州日本海側に分布し、里山の雑木林の斜面や山地の林床に自生します。
早春に開いた花弁のように見える部分は萼片で、花弁はありません。花色は白や桃色、赤や紫と、野生植物には珍しく多彩です。花後、地際に3裂する葉を一度に数枚展開し、そのまま常緑となって1年を過ごします。タネはそう果で金平糖のように固まります。葉は一年中ありますが、「春植物」に近い性質をもち、目に見える成長は春で完成して、その後は翌年の開花までじっくりと芽や根を充実させます。
八重咲きなどの変化花も多く見いだされ、多くの先人により変異の仕組みもある程度解明されています。それにより園芸的育種も盛んで、近年では新しい園芸植物としてマニアの注目を集めています。

基本データ

園芸分類 山野草
形態 多年草 原産地 北陸地方、東北地方の日本海側
草丈/樹高 10~20cm 開花期 2月下旬~5月上旬
花色 白,ピンク,赤,紫,複色 栽培難易度(1~5)
耐寒性 普通 耐暑性 普通
特性・用途 常緑性
植物図鑑の見方
園芸・ガーデニング作業の基本

種類(原種、品種、仲間)

  • ミスミソウ

    Hepatica nobilis var. japonica f. japonica
    オオミスミソウよりやや小型で葉質が薄く、萼花弁は8〜12枚前後。花色は白や桃色が多い。根が弱く、栽培難度はやや上がる。関東地方以南から九州北部に分布。「三角草」とも書く。
  • スハマソウ

    Hepatica nobilis var. japonica f. variegata
    全体に小型で、花は白から淡い桃色が多く、萼花弁は通常6枚。根が弱く、栽培難度はやや上がる。東北地方から関東地方の太平洋側に分布。「州浜草」とも書く。
  • ケスハマソウ

    Hepatica nobilis var. pubescens
    名前のとおり、葉に毛が生えている。萼花弁は6枚のものが多く、白や桃色、ときに濃紅色や縁紅で、柱頭が紅色に染まる個体も多い。大株になると傷みやすい。本州の中部地方以西と四国に分布。
  • ヘパティカ・ノビリス

    Hepatica nobilis
    ミスミソウに似たやや小型の種類。葉質が薄く、花は白や青紫色が多く、雄しべが白い個体も見られる。変化花も多い。日本産の母種といわれるが、根が弱く暑がりで、産地が北のものほど栽培が難しい。ヨーロッパに広く分布。
  • ヘパティカ・トランシルバニカ

    Hepatica transsilvanica
    青紫色の大輪の花がとても美しいが、大株にならないと花つきはよくない。葉は5裂し、かなり大型。ヘパティカ・ノビリスとの交配種もある。ルーマニア中央部に分布。
  • ヘパティカ・ヤマツタイ

    Hepatica yamatutai
    大型で、葉は5裂するカエデのような姿。萼花弁は6枚で白から淡い桃色。栽培難度はやや高め。中国四川省の一部に自生。
  • ヘパティカ・ヘンリー

    Hepatica henryi
    全体的にヘパティカ・ヤマツタイよりも小型。萼花弁は6枚で白や桃色、藤色のものが見られ、八重咲きも紹介されている。中国四川省や湖北省に分布。
  • ヘパティカ・インスラリス

    Hepatica insularis
    別名はマンセンスハマソウ。済州(さいしゅう)島など韓国の島々に見られるミスミソウに似た小型で山草的な種類。花は白く、萼花弁が6〜8枚のものが多い。性質はやや弱い。葉もちも短く落葉種ともいわれる。
  • へパティカ・マキシマ

    Hepatica maxima
    和名はオオスハマソウ。大きな厚みのある円い葉が特徴。総苞葉が特に大きく、それに囲まれるように萼花弁が6枚の白い花を開く。丈夫で育てやすい。韓国鬱稜(うつりょう)島原産。
  • ヘパティカ・アメリカーナ

    Hepatica americana
    別名はアメリカスハマソウ。葉の先端が円く葉質は薄く、花色は白や紫で萼花弁が6〜8枚のものが多く、萼花弁の質もやや薄め。北米東部に分布。
  • ヘパティカ・アクティローバ

    Hepatica acutiloba
    別名はアメリカミスミソウ。葉質は薄く全体にスリムで華奢な印象。花は白く、花期は遅い。根や葉が弱くてやや暑がり、栽培難度は高い。北米東部の山地に分布。
  • ヘパティカ・ファルコネリー

    Hepatica falconeri
    雪割草の仲間の原型といわれる古いタイプの珍しい種類。全体に小型で小さな葉には斑紋がある。インドやパキスタンの高地や山岳帯に分布。入手はほとんどできない。

育て方・栽培方法

雪割草の栽培カレンダー
*関東地方以西基準

「趣味の園芸」講師陣、専門家の執筆による植物図鑑

執筆:富澤正美(とみざわ・まさみ)
山野草専門の生産農園、アルペンガーデンやまくさの園主。国内外の多岐にわたる山野草を扱い、世界各地の希少な品種も栽培している。雪割草、キキョウ、ギボウシ、イカリソウなど、交配に力を注ぐ植物も多い。
◆植物図鑑は、原則として作成時の情報に基づき掲載しております。図鑑の作成年によって、科名や属名などが最新の分類とは異なる場合がありますが、何卒ご理解ください。
植物図鑑の項目の見方について >  科名、属名の分類について >
◆植物には規制や保護が行われている種類、無断でふやして販売・譲渡を行ってはいけない登録品種などがあります。また薬剤の使用時は、ラベルをよく読み使用方法を守りましょう。
園芸を楽しむうえで知っておきたいこと >

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