雪割草
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雪割草の育て方・栽培方法

雪割草
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栽培カレンダー

*関東地方以西基準

基本データ

園芸分類 山野草
形態 多年草 原産地 北陸地方、東北地方の日本海側
草丈/樹高 10~20cm 開花期 2月下旬~5月上旬
花色 白,ピンク,赤,紫,複色 栽培難易度(1~5)
耐寒性 普通 耐暑性 普通
特性・用途 常緑性

育て方のポイント

栽培環境・日当たり・置き場

鉢植えの場合、落葉樹林下のような栽培環境づくりを心がけます。春は明るく日当たりのよい場所で管理し、暖かい日ざしの中で花を咲かせます。花が終わり、葉の展開が始まったら、木もれ日の下や明るい日陰、または50%の遮光下で、ゆるく風の流れる環境で管理します。梅雨入りごろからは風通りのよい日陰か、70~90%の遮光をして管理します。この時期に少しでも直射日光が当たると、のちに葉が傷むので注意してください。梅雨から翌春の開花前まで日陰でゆったりと管理をして、花芽の充実を促します。冬の乾いた風や強い風は、葉や花芽を傷めるので注意が必要です。
庭植えの場合は、自生環境と同じく落葉樹の下が好ましいでしょう。冬に凍結のひどい地域では落ち葉などをかけて、春までゆっくりと眠らせておきます。

水やり

斜面に自生しているので多湿や停滞水を嫌います。栽培環境により水やりの回数は変わりますが、基本的には常に鉢土の表面が乾くころを見計らって、たっぷりと与えます。夏は夜間、春と秋冬は朝の水やりがよいでしょう。
庭植えの場合も、極端な乾燥を嫌うので、晴天が続くときは、乾き具合を見てたっぷりと水やりします。

肥料

鉢植え、庭植えとも、葉の展開するころからは、葉が充実するように、チッ素分の多い液体肥料を施します。葉の展開後に中心の小さな葉(止め葉)が見え始めるころには花芽形成期に入るので、リン酸分の多い液体肥料に切り替えます。梅雨明けから夏場は液体肥料は施しません。秋の彼岸前後から冬までは、チッ素、リン酸、カリが等量の液体肥料を施し、株の充実を図ります。液体肥料はどのタイプも通常2週間に1回施します。植え替え2週間後の置き肥と、花後のお礼肥などの置き肥も効果的です。
植え込み時には、元肥として緩効性化成肥料を1株当たり数粒施します。

病気と害虫

病気:灰色かび病、炭そ病、ウイルス病、白絹病、軟腐病など
よく見られる病気は、花の終わりごろから葉の展開期に多い灰色かび病と、芽出し後の炭そ病です。灰色かび病は、落ちた花弁や古葉の傷んだ部分にカビ状のものが生えます。花後に花弁を取り除いて予防します。炭そ病は、葉に茶斑や黒斑が出て枯れてくるもので、風の流れで伝染することもあります。見つけしだい隔離して様子を見ます。
また、近年ウイルス病のようなものも見られます。芽出し後の葉を形成する時期に、色むらやひどい委縮が現れたときは感染の疑いがあります。伝染が怖いので、見つけしだい処分します。

害虫:ナメクジ、アブラムシ、ネコブセンチュウ、バッタ、ハダニ
開花前からナメクジの食害が目立ちます。1年間丹精した花や芽を全部食べられることもあります。ウイルス病を媒介するアブラムシの発生も見られます。根に小さなこぶ(ゴールと呼ばれる)がついていたらネコブセンチュウ(ネマトーダ)の被害です。梅雨ごろからハダニが発生します。夏ごろからはバッタによる葉の食害も見られます。

用土(鉢植え)

通気と排水を好むので、鉢は乾きやすく鉢穴の大きい深めのものを選びます。釉薬(うわぐすり)のかかったものや鉢穴の小さなものは、水はけが悪く多湿になるので、慣れるまでは避けてください。
用土は、保水性があり、くずれにくいものを好みます。硬質鹿沼土と日光砂または日向土を等量に配合した用土に、水はけをよくするため、5~10mm程度の軽石を少し混ぜます。雪割草専用の培養土も使いやすく手軽です。

植えつけ、 植え替え

植えつけと植え替えは、春の花後か秋の彼岸前後がよいでしょう。植え替えは2年に1回行い、株が大きくなっていたら一回り大きな鉢に植え替えます。作業するときは、春は葉や根の脱水に、秋は葉や根の乾燥に注意し、春なら数日間、秋なら1~2週間、日陰でたっぷりと水やりします。落ち着いたら徐々に通常の置き場に戻します。葉受けのリングをかけると葉傷みが防げ、美しい姿が保てます。

ふやし方

株分け:植え替えの際に株分けをします。実際に分けるときは、軽く手で引っ張って根が多くついた状態で分かれる程度にしておき、無理をして細かく分けるのは避けましょう。

タネまき:花後にタネができたら、とりまきします。タネは軽く触るとほぐれる未熟の状態で採種します。親株と同じ用土の上にぱらぱらとまき、1週間ほどそのまま管理し、完熟してから厚さ5mmほど覆土をします。発芽は1年後なので、コケが生えないように翌春まで棚下で管理します。

根伏せ:長く伸びた根茎を外して、植えつけと同様に地下に埋めておけば、翌春に発芽します。ただし、栽培株からの発芽はあまり思わしくありません。

主な作業

花がら摘み:灰色かび病の予防のために花後に行います。タネをつけさせる花以外は、咲き終わったら花茎の元から切り取り、散った花弁は取り除いて株元を清潔に保ちます。

古葉切り:葉が展開しきったころに行います。古く傷んだ葉は株元から切除して、蒸れと病気を予防します。

交配:雪割草は比較的簡単に、人工交配で自分だけのオリジナル花を作出することができます。母親にする花を隔離して、自家受粉しないようにあらかじめ雄しべを取り除いておきます。その母親の雌しべに、父親にする花の花粉をつければ交配終了です。約40日前後で採種できます。

特徴

雪国の春を彩る雪割草(ユキワリソウ)は、ほかの花に先駆けて色とりどりの花を開くことから、多くの人に親しまれています。一般に「雪割草」と呼ばれるものには、オオミスミソウ、ミスミソウ、スハマソウ、違う変種のケスハマソウがあり、それぞれ自生地が異...

種類(原種、園芸品種)

ミスミソウ


Hepatica nobilis var. japonica f. japonica
オオミスミソウよりやや小型で葉質が薄く、萼花弁は8〜12枚前後。花色は白や桃色が多い。根が弱く、栽培難度はやや上がる。関東地方以南から九州北部に分布。「三角草」とも書く。

スハマソウ


Hepatica nobilis var. japonica f. variegata
全体に小型で、花は白から淡い桃色が多く、萼花弁は通常6枚。根が弱く、栽培難度はやや上がる。東北地方から関東地方の太平洋側に分布。「州浜草」とも書く。
ケスハマソウ

ケスハマソウ


Hepatica nobilis var. pubescens
名前のとおり、葉に毛が生えている。萼花弁は6枚のものが多く、白や桃色、ときに濃紅色や縁紅で、柱頭が紅色に染まる個体も多い。大株になると傷みやすい。本州の中部地方以西と四国に分布。

ヘパティカ・ノビリス


Hepatica nobilis
ミスミソウに似たやや小型の種類。葉質が薄く、花は白や青紫色が多く、雄しべが白い個体も見られる。変化花も多い。日本産の母種といわれるが、根が弱く暑がりで、産地が北のものほど栽培が難しい。ヨーロッパに広く分布。

「趣味の園芸」講師陣、専門家の執筆による植物図鑑

執筆:富澤正美(とみざわ・まさみ)
山野草専門の生産農園、アルペンガーデンやまくさの園主。国内外の多岐にわたる山野草を扱い、世界各地の希少な品種も栽培している。雪割草、キキョウ、ギボウシ、イカリソウなど、交配に力を注ぐ植物も多い。
※植物図鑑は、原則として作成時の情報に基づき掲載しております。図鑑の作成年によって、科名や属名などが最新の分類とは異なる場合がございますが、何卒ご理解ください。
植物図鑑の項目の見方について >  科名、属名の分類について >

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