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今月の注意したい病気と害虫対策、栽培のワンポイントを毎月お届けします。
【5月】草花苗・野菜苗を選ぶ時のポイント&今月気をつけたい病気
■苗選びのコツ
今月は気温が安定しており、植物の植えつけには最適なシーズンです。ペチュニアなどの草花や、トマト、ナス、キュウリといった夏野菜の植えつけも、梅雨入り前のタイミングで行っておきたい作業です。
昔から「苗半作」という言葉があります。これは、作物の生育期の中でも、特に苗の時期がいかに大切かと言うことを表現した言葉です。
良い苗を選ぶことは、植えつけ時に大切な事の一つです。
ここでは、良い苗を見分けるコツをいくつかご紹介しましょう。
草花の苗は、葉の色つやがよく蕾が多い、株元がしっかりした、茎がグラつかず、徒長していない苗を選ぶことが大切です。
野菜苗は、茎の太さに注目します。店頭で苗をじっくり見比べて、茎が太く、節間が詰まっているものを選びます。また、子葉がしっかり残っているもの、葉の色は緑色が濃いものを選びましょう。
■植物の植えつけ時には病害虫対策を忘れずに

植物の植えつけ時には病害虫対策を忘れずに
さて、よい苗を選んでも虫や病気が出てしまっては元も子もありません。害虫が発生したり、病気が出たりしないように、植えつけ時の予防を行います。
「ベニカXガード粒剤」なら土にまくだけでトマトやミニトマト、花き類のアブラムシ、キュウリやナスの「うどんこ病」、花き類の「灰色かび病」など幅広い植物の病害虫を予防することができます。効き目はアブラムシの場合約1か月持続するので、生育初期の病害虫対策におすすめです。
■5月は「うどんこ病」に注意

「うどんこ病」で花首が白くなったバラ
5月に相談が多いのはカビ(糸状菌)が原因の「うどんこ病」です。
うどん粉をまぶしたように、葉が白いカビに覆われている様子から、「うどんこ病」と呼ばれています。
葉の表面が白いカビに覆われると光合成が阻害されたり、葉から栄養を吸収できなくなるので、生育不良になり、花が咲かなくなることもあります。野菜では食味が低下する、果実が肥大しない、また枯死の被害が出ます。
植物の病名は見た目で名づけられているものが多いですが、「うどんこ病」の種類は1つではなく、いくつもの種類が存在します。病名は「うどんこ病」でも、植物によって菌の種類が異なります。
たとえば、バラの花首が真っ白になる「うどんこ病」はバラにしか発生しません。
一方、キュウリの葉に広がる「うどんこ病」はカボチャにも発生しますが、同じウリ科のスイカには伝染しません。
「うどんこ病」の原因菌はカビ(糸状菌)なので、カビが発生しやすい温度と、菌糸を伸ばして繁殖するための水分が必要となります。増えるときには風で胞子を飛ばす、という仕組みなので比較的乾燥した時期に発生しやすくなります。
日中はからっと晴れて暖かく、夜は気温が下がり、夜露で葉が濡れるような初夏や秋口が「うどんこ病」の発病適期ということになります。防除には「ベニカXネクストスプレー」がおすすめです。

住友化学園芸 普及チームリーダー 牛迫正秀
YouTube住友化学園芸チャンネルの「ガーデンドクターTV」にて薬剤・肥料などの仕組みや使い方のコツを分かりやすく解説している。ニックネームは 「牛(ぎゅう)ちゃん」。
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ベニカXガード粒剤
粒タイプの殺虫殺菌剤。種まき、植付け時に土に混ぜ込んだり、植付け後に株元にばらまいたりするだけで効果をあらわす殺虫殺菌粒剤です。殺虫成分は根から吸収され、薬効が葉の隅々まで行きわたり、害虫の被害から植物全体を守ります。微生物(B.t.菌)の作用により植物の抵抗力を高め、丈夫にすることで病気を予防します(抵抗性誘導)。
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花、庭木、野菜など幅広い植物に使える、化学防除成分と物理防除成分を組み合わせた殺虫殺菌スプレーです。害虫に素早く、長く(アブラムシ1ヵ月)効き、退治の難しいチョウ目老齢幼虫(ハスモンヨトウ、オオタバコガ)、薬剤抵抗性害虫(アブラムシ、ハダニ)にも効き、うどんこ病をはじめ、病気の予防・治療に効果的。
詳しく見る商品の使用に際しては必ず商品の説明をよく読んで、記載内容に従ってお使いください。
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■展着剤の使い方
展着剤(てんちゃくざい)とは、水和剤や乳剤などを水に薄めて使用するときに一緒に加えて使用する薬剤のことです。
ホームセンターや園芸店で販売している殺虫剤や殺菌剤の多くは、薄めずにそのまま使用できるスプレータイプやエアゾールタイプの製品が多くあります。これらの薬剤の多くはあらかじめ展着性を高める成分が入っているので、展着剤を使わなくても効果的に使用できます。
いっぽう、生垣や広範囲の薬剤散布には、水で薄めて使用するタイプの乳剤や水和剤などを使うと効率的です。
このとき、薬剤に展着剤を加えて使用すると、薬剤が葉の表面などに付着しやすくなり、より薬剤の効果を高めることができます。
たとえば、ツバキのようなツルツルした葉に水をかけると、水は、はじかれてしまいます。それを避けるために散布液に展着剤を加えておくと、葉の表面に薬剤が付着しやすくなります。
また、水と薬剤を混ざりやすくする効果もあります。薬剤の粒子が水の中で均一に分散し、沈殿も起こりにくくなります。
展着剤の使用量は、たとえば「ダイン」の場合は、散布液1L当り0.1~0.3mlで、5~6滴程度を混ぜて使用します。
■水で薄める薬剤の希釈液のつくり方
水で希釈して使う原液タイプの薬剤には乳剤・液剤・水和剤などがあります。水で薄めた散布液は取り置き保存ができないので、散布する分だけ量って用意し、使い切るようにします。希釈の手順は、以下の通りです。
(1)希釈する水を用意します。
(2)薬剤を混ぜる前に、展着剤を水に入れよく混ぜておきます。
それぞれの薬剤によって希釈する倍率は異なります。薬剤の商品ラベルに記載されている適正な倍率を確かめ、適量を希釈する水に入れます。
展着剤は割り箸や棒などを容器内の薬剤に浸けて、用意した水に適量を垂らして入れます。
(3)次に薬剤を混ぜます。割り箸や棒などでかくはんして、よく混ぜます。希釈倍率が1000倍の場合は、水1L(1000ml)に対し薬剤1mlが適量です。
(4)よく混ぜた希釈液を噴霧器やスプレーボトルなどに移して散布します。
以上の作業は必ず手袋をして行います。
殺虫剤と殺菌剤など2種類以上の薬剤を混ぜて使う場合は、「液剤」「乳剤」「水溶剤」など水に混ざりやすい薬剤を先に加え、「水和剤」「フロアブル剤」など水に混ざりにくい薬剤を後から加えてください。つくった散布液は植物全体に、葉の裏まで含めてまんべんなく散布します。ムラの無いようにしっかりと散布してください。
住友化学園芸のこちらのページやYouTubeの公式「住友化学園芸チャンネル」で詳しい作り方を解説しています。
■冬の室内はハダニが好む環境
寒いこの時期、屋外では多くの植物が休眠し、害虫も寒さを乗り越えるために、越冬します。
でも、屋内や温室で育てている植物は休むことなく生育し続け、害虫や病気も活動を続けます。そんな冬場の室内で活動が活発になるのがハダニです。
ハダニはクモの仲間で、おしりにある突起から糸を出し、数が多くなると糸が絡んでクモの巣状になります。高温乾燥を好むので、冬の暖房が効いた室内は、まさに高温乾燥状態で、ハダニにとっては活動しやすい環境です。観葉植物やランなどの室内植物でも繁殖しやすくなります。逆にハダニは湿気を嫌うので、たまに葉水などして葉に湿気を与えるようにすると予防になります。
「ベニカXネクストスプレー」や「ベニカマイルドスプレー」などで手軽に退治できますが、本格的にハダニを退治するには「殺ダニ剤」というハダニの専門薬(「バロックフロアブル」「ダニ太郎」など)がおすすめです。
■コナカイガラムシにも注意!
ポトスなどの葉が密集するタイプの観葉植物では、コナカイガラムシの被害が目立ちます。コナカイガラムシは白い粉状のものを身にまとったワラジムシ状の小さな虫です。排泄物がベタベタしていて「すす病」と呼ばれる黒いカビが葉の上で繁殖する原因にもなります。コナカイガラムシはカイガラムシ専用の殺虫剤「カイガラムシエアゾール」を吹きかけて退治しましょう。病気では「灰色かび病」という病気がシクラメンの鉢植えなどで出やすいです。発病初期は花弁に赤い斑点が出るので見かけたら花茎ごと取り除きましょう。灰色かび病の対策には「ベニカXガード粒剤」をあらかじめ株元にまいておくと予防できます。
■冬場の肥料やり、水やり、置き場所
多肉植物やサボテンは基本的に一年中青々としていますが、気温が下がる冬場は生育が緩やかになる傾向があります。そのため肥料や水やりの頻度も冬場は少なめにして管理します。
多肉植物やサボテンは、まったく水やりしないと萎んでしまうので、鉢土が全体的に乾いたら水やりしましょう。鉢皿に水を溜めておくと、かえって根腐れや凍結の原因になるので、冬場は乾かし気味に管理するのがお勧めです。
施肥は基本的に不要ですが気になるようなら、葉面散布(葉から薄めた溶液で栄養を吸収させる)で肥料を施してください。液体肥料を薄めて葉面散布を行うほか、スプレータイプの容器に薬剤が入っていて、そのまま使える「MY PLANT すばやく元気を届けるミスト」が便利です。
通常の肥料では、水やりのたびに溶け出す「MY PLANTS 長く丈夫に育てるタブレット」のような置き肥は、水やりを控えることで肥料も溶け出さなくなるので、そのまま残しておいて大丈夫です。
多肉植物の場合、冬に休眠するタイプ(アガベ、アロエ、カランコエなど)と、夏に休眠するタイプ(アエオニウム、コノフィツム、リトープスなど)がありますので、冬に休眠するタイプについては、冬場の肥料・水やりはまったく不要です。
■ジャガイモの植えつけ時に気をつけたい病気
2月から3月にかけては、ジャガイモの植えつけシーズンです。
食べきれないジャガイモを種イモ代わりに植えつける、という事はよく聞きます。ただ、食用ジャガイモはウイルスが原因の病気に感染して、生育が悪くなる場合があります。検査済の種イモを園芸店やホームセンターで購入して植えつけてください。
種イモは1個の重さが50g前後の小ぶりのものなら、そのまま植えつけ、大きい場合は1片が50g前後になるようにカットすると植えつけやすくなります。切り口にはウイルスの感染を防ぐため、草木灰をつけるか、風通しのよい日陰において切り口が乾いてから植えつけましょう。
また、可食部がデコボコ状になる「そうか病」は放線菌によるもので土壌感染します。
植えつけ前に土に混ぜるだけで土の殺菌・消毒ができる土壌殺菌剤「石原フロンサイド粉剤」で被害を抑えることができます。
■大きなジャガイモを育てるには
種イモからは複数の茎が伸びますが、すべての茎を残したままにしておくと、イモが大きく育ちません。効率よくイモを太らせるため、種イモ1個につき、芽を1~2個残してそれ以外は間引きます。
植えつけ後、イモは伸びた茎の途中にできるので、生育に合わせて株元に土を盛っていきます。ジャガイモのイモは茎が肥大したもの(塊茎)なので、種イモより上につきます。これを地植えの場合は土寄せ、鉢植えの場合は増し土と言います。もちろんその間の施肥も忘れずに行いましょう。
収穫時期は6月前後ですが、葉や茎が黄色くなったら収穫適期のサインです。雨で土が湿っている時に収穫するとイモが腐りやすくなるので、収穫は晴天が2~3日続いて土が乾いている時が最適です。特に新ジャガは皮が薄くて傷がつきやすく、湿った状態で放置すると傷口の湿気にカビが付着しやすく、またカビが付着して、そこに水分がある状態だとすぐに繁殖してしまいます。
■土の健康状態をチェック!
植物を育てている土壌は肥料や水を貯える場所となります。その土中で根を伸ばして植物は育ちます。ところが長年同じ場所で植物を栽培していると土の化学的性質(土壌酸度)が変化してきます。植物の根から出る根酸や雨水などの影響で土の化学的性質は段々と酸性に傾いてきます(雨には空気中の二酸化炭素が溶け込んでいるので、雨水はもともと弱酸性です)。
一般に植物の生育に適した土壌酸度は中性~弱酸性と言われています。極端に酸性やアルカリ性に傾くと植物が肥料を吸収しにくくなります。また特定の病原菌が増え、土壌環境が悪化します。
いつも通り育てているのに、なぜか今年は元気に育たない、と思ったら土壌酸度に問題があるかもしれません。簡易的に測定できる土壌酸度測定液「アースチェック液」を使って植えつけ前の土の健康状態をチェックしましょう。
ジャガイモの場合は「そうか病」対策としてpH5.5以下の酸性土壌が適しています。いっぽう、アブラナ科の野菜では、「根こぶ病」対策としてpH7.2以上のアルカリ性の土壌が適しています。このように、植物によって適した土壌酸度が異なる場合があるので、育てるときは、植物にそれぞれ適した土壌酸度を事前に知っておくことが大切です。
■種類が多いアブラムシ
害虫の代名詞にもなっているアブラムシは、ほとんどの植物につきます。
アブラムシはセミの仲間で、口がストロー状になっていて植物の汁を吸う害虫です。カメムシ、カイガラムシ、コナジラミ、グンバイムシ、ヨコバイなども同じ仲間です。
アブラムシは数多くの種類があり、バラだけに寄生するイバラヒゲナガアブラムシやバラミドリアブラムシ、雑草のセイタカアワダチソウにだけ寄生するセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシという長い名前のついた種類もいます。
綿花に寄生していたことからその名がついた。ワタアブラムシは、多くの草花や野菜だけでなく雑草にまで寄生するので家庭園芸でもやっかいなアブラムシの一種です。
■1匹でも増えるアブラムシ
アブラムシの寿命は1か月程度ですが、繁殖力がとてもおう盛です。
一匹のアブラムシのメスだけで、どんどん増えます。これを「単為生殖」といいます。しかも「卵胎生」といって卵をお腹の中でふ化させるので、幼虫の状態で生まれてきます。
幼虫は一度に十数匹生まれることもあり、しかも温度条件が良いと、一週間程度で親虫にまで成長し、産卵を始めます。冬の寒い時期を除き、基本的には一年中このサイクルで増え続けます。
バラの蕾や茎にびっしりとアブラムシが群れているのを見かけることがありますが、1か所で増えすぎると今度は翅の生えた幼虫が生まれ、新たな餌場を求めて飛び立つこともあるので、あっという間に広がっていきます。
一般的にアブラムシは黄色やオレンジ色を好む習性があり、このような花色の草花はアブラムシがつきやすいといわれています。
光を嫌う性質もあるので、この性質を利用してアブラムシを誘引する、黄色い粘着テープや忌避する銀色のマルチシートなどが販売されています。
■アブラムシの二次被害に注意!
アブラムシは植物の汁液を吸うので、植物にとってはもちろん害虫ですが、アブラムシが汁を吸っても植物が枯れてしまうことはほとんどありません。アブラムシのやっかいなところは、二次被害が出ることにあります。
ウイルスに感染した植物に寄生して、汁を吸うと、一緒にウイルスを吸い込んで、運ぶことがあります。そうすると、ほかの植物にウイルス病を媒介してしまいます。
排泄物が葉に付着し、そこにカビが生えて真っ黒なすすに覆われたようになる「すす病」が発生することもよくあります。
■アリを見つけたら……
また、排泄物には高濃度の糖分が含まれているので、アリが排泄物をなめるため植物に集まってくることがあります。植物の上をはい回っているアリを見たら、アブラムシが発生している可能性があります。
このようにアブラムシは植物の汁を吸う害虫だけではなく、とにかく1匹でも見つけたら、すぐに増えてしまう可能性があるので、防除が必要です。
苗の植えつけ時にあらかじめ土に撒いておくことでアブラムシ退治に効果を表す「ベニカXガード粒剤」や「家庭園芸用GFオルトラン粒剤」などを活用して、二次被害が出ないように、早めに防除することをお勧めします。
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■展着剤の使い方
展着剤(てんちゃくざい)とは、水和剤や乳剤などを水に薄めて使用するときに一緒に加えて使用する薬剤のことです。
ホームセンターや園芸店で販売している殺虫剤や殺菌剤の多くは、薄めずにそのまま使用できるスプレータイプやエアゾールタイプの製品が多くあります。これらの薬剤の多くはあらかじめ展着性を高める成分が入っているので、展着剤を使わなくても効果的に使用できます。
いっぽう、生垣や広範囲の薬剤散布には、水で薄めて使用するタイプの乳剤や水和剤などを使うと効率的です。
このとき、薬剤に展着剤を加えて使用すると、薬剤が葉の表面などに付着しやすくなり、より薬剤の効果を高めることができます。
たとえば、ツバキのようなツルツルした葉に水をかけると、水は、はじかれてしまいます。それを避けるために散布液に展着剤を加えておくと、葉の表面に薬剤が付着しやすくなります。
また、水と薬剤を混ざりやすくする効果もあります。薬剤の粒子が水の中で均一に分散し、沈殿も起こりにくくなります。
展着剤の使用量は、たとえば「ダイン」の場合は、散布液1L当り0.1~0.3mlで、5~6滴程度を混ぜて使用します。■水で薄める薬剤の希釈液のつくり方
水で希釈して使う原液タイプの薬剤には乳剤・液剤・水和剤などがあります。水で薄めた散布液は取り置き保存ができないので、散布する分だけ量って用意し、使い切るようにします。希釈の手順は、以下の通りです。
(1)希釈する水を用意します。
(2)薬剤を混ぜる前に、展着剤を水に入れよく混ぜておきます。
それぞれの薬剤によって希釈する倍率は異なります。薬剤の商品ラベルに記載されている適正な倍率を確かめ、適量を希釈する水に入れます。
展着剤は割り箸や棒などを容器内の薬剤に浸けて、用意した水に適量を垂らして入れます。
(3)次に薬剤を混ぜます。割り箸や棒などでかくはんして、よく混ぜます。希釈倍率が1000倍の場合は、水1L(1000ml)に対し薬剤1mlが適量です。
(4)よく混ぜた希釈液を噴霧器やスプレーボトルなどに移して散布します。
以上の作業は必ず手袋をして行います。
殺虫剤と殺菌剤など2種類以上の薬剤を混ぜて使う場合は、「液剤」「乳剤」「水溶剤」など水に混ざりやすい薬剤を先に加え、「水和剤」「フロアブル剤」など水に混ざりにくい薬剤を後から加えてください。つくった散布液は植物全体に、葉の裏まで含めてまんべんなく散布します。ムラの無いようにしっかりと散布してください。
住友化学園芸のこちらのページやYouTubeの公式「住友化学園芸チャンネル」で詳しい作り方を解説しています。 -
■冬の室内はハダニが好む環境
寒いこの時期、屋外では多くの植物が休眠し、害虫も寒さを乗り越えるために、越冬します。
でも、屋内や温室で育てている植物は休むことなく生育し続け、害虫や病気も活動を続けます。そんな冬場の室内で活動が活発になるのがハダニです。
ハダニはクモの仲間で、おしりにある突起から糸を出し、数が多くなると糸が絡んでクモの巣状になります。高温乾燥を好むので、冬の暖房が効いた室内は、まさに高温乾燥状態で、ハダニにとっては活動しやすい環境です。観葉植物やランなどの室内植物でも繁殖しやすくなります。逆にハダニは湿気を嫌うので、たまに葉水などして葉に湿気を与えるようにすると予防になります。
「ベニカXネクストスプレー」や「ベニカマイルドスプレー」などで手軽に退治できますが、本格的にハダニを退治するには「殺ダニ剤」というハダニの専門薬(「バロックフロアブル」「ダニ太郎」など)がおすすめです。■コナカイガラムシにも注意!
ポトスなどの葉が密集するタイプの観葉植物では、コナカイガラムシの被害が目立ちます。コナカイガラムシは白い粉状のものを身にまとったワラジムシ状の小さな虫です。排泄物がベタベタしていて「すす病」と呼ばれる黒いカビが葉の上で繁殖する原因にもなります。コナカイガラムシはカイガラムシ専用の殺虫剤「カイガラムシエアゾール」を吹きかけて退治しましょう。病気では「灰色かび病」という病気がシクラメンの鉢植えなどで出やすいです。発病初期は花弁に赤い斑点が出るので見かけたら花茎ごと取り除きましょう。灰色かび病の対策には「ベニカXガード粒剤」をあらかじめ株元にまいておくと予防できます。
■冬場の肥料やり、水やり、置き場所
多肉植物やサボテンは基本的に一年中青々としていますが、気温が下がる冬場は生育が緩やかになる傾向があります。そのため肥料や水やりの頻度も冬場は少なめにして管理します。
多肉植物やサボテンは、まったく水やりしないと萎んでしまうので、鉢土が全体的に乾いたら水やりしましょう。鉢皿に水を溜めておくと、かえって根腐れや凍結の原因になるので、冬場は乾かし気味に管理するのがお勧めです。
施肥は基本的に不要ですが気になるようなら、葉面散布(葉から薄めた溶液で栄養を吸収させる)で肥料を施してください。液体肥料を薄めて葉面散布を行うほか、スプレータイプの容器に薬剤が入っていて、そのまま使える「MY PLANT すばやく元気を届けるミスト」が便利です。
通常の肥料では、水やりのたびに溶け出す「MY PLANTS 長く丈夫に育てるタブレット」のような置き肥は、水やりを控えることで肥料も溶け出さなくなるので、そのまま残しておいて大丈夫です。
多肉植物の場合、冬に休眠するタイプ(アガベ、アロエ、カランコエなど)と、夏に休眠するタイプ(アエオニウム、コノフィツム、リトープスなど)がありますので、冬に休眠するタイプについては、冬場の肥料・水やりはまったく不要です。 -
■ジャガイモの植えつけ時に気をつけたい病気
2月から3月にかけては、ジャガイモの植えつけシーズンです。
食べきれないジャガイモを種イモ代わりに植えつける、という事はよく聞きます。ただ、食用ジャガイモはウイルスが原因の病気に感染して、生育が悪くなる場合があります。検査済の種イモを園芸店やホームセンターで購入して植えつけてください。
種イモは1個の重さが50g前後の小ぶりのものなら、そのまま植えつけ、大きい場合は1片が50g前後になるようにカットすると植えつけやすくなります。切り口にはウイルスの感染を防ぐため、草木灰をつけるか、風通しのよい日陰において切り口が乾いてから植えつけましょう。
また、可食部がデコボコ状になる「そうか病」は放線菌によるもので土壌感染します。
植えつけ前に土に混ぜるだけで土の殺菌・消毒ができる土壌殺菌剤「石原フロンサイド粉剤」で被害を抑えることができます。■大きなジャガイモを育てるには
種イモからは複数の茎が伸びますが、すべての茎を残したままにしておくと、イモが大きく育ちません。効率よくイモを太らせるため、種イモ1個につき、芽を1~2個残してそれ以外は間引きます。
植えつけ後、イモは伸びた茎の途中にできるので、生育に合わせて株元に土を盛っていきます。ジャガイモのイモは茎が肥大したもの(塊茎)なので、種イモより上につきます。これを地植えの場合は土寄せ、鉢植えの場合は増し土と言います。もちろんその間の施肥も忘れずに行いましょう。
収穫時期は6月前後ですが、葉や茎が黄色くなったら収穫適期のサインです。雨で土が湿っている時に収穫するとイモが腐りやすくなるので、収穫は晴天が2~3日続いて土が乾いている時が最適です。特に新ジャガは皮が薄くて傷がつきやすく、湿った状態で放置すると傷口の湿気にカビが付着しやすく、またカビが付着して、そこに水分がある状態だとすぐに繁殖してしまいます。■土の健康状態をチェック!
植物を育てている土壌は肥料や水を貯える場所となります。その土中で根を伸ばして植物は育ちます。ところが長年同じ場所で植物を栽培していると土の化学的性質(土壌酸度)が変化してきます。植物の根から出る根酸や雨水などの影響で土の化学的性質は段々と酸性に傾いてきます(雨には空気中の二酸化炭素が溶け込んでいるので、雨水はもともと弱酸性です)。
一般に植物の生育に適した土壌酸度は中性~弱酸性と言われています。極端に酸性やアルカリ性に傾くと植物が肥料を吸収しにくくなります。また特定の病原菌が増え、土壌環境が悪化します。
いつも通り育てているのに、なぜか今年は元気に育たない、と思ったら土壌酸度に問題があるかもしれません。簡易的に測定できる土壌酸度測定液「アースチェック液」を使って植えつけ前の土の健康状態をチェックしましょう。
ジャガイモの場合は「そうか病」対策としてpH5.5以下の酸性土壌が適しています。いっぽう、アブラナ科の野菜では、「根こぶ病」対策としてpH7.2以上のアルカリ性の土壌が適しています。このように、植物によって適した土壌酸度が異なる場合があるので、育てるときは、植物にそれぞれ適した土壌酸度を事前に知っておくことが大切です。 -
■種類が多いアブラムシ
害虫の代名詞にもなっているアブラムシは、ほとんどの植物につきます。
アブラムシはセミの仲間で、口がストロー状になっていて植物の汁を吸う害虫です。カメムシ、カイガラムシ、コナジラミ、グンバイムシ、ヨコバイなども同じ仲間です。
アブラムシは数多くの種類があり、バラだけに寄生するイバラヒゲナガアブラムシやバラミドリアブラムシ、雑草のセイタカアワダチソウにだけ寄生するセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシという長い名前のついた種類もいます。
綿花に寄生していたことからその名がついた。ワタアブラムシは、多くの草花や野菜だけでなく雑草にまで寄生するので家庭園芸でもやっかいなアブラムシの一種です。■1匹でも増えるアブラムシ
アブラムシの寿命は1か月程度ですが、繁殖力がとてもおう盛です。
一匹のアブラムシのメスだけで、どんどん増えます。これを「単為生殖」といいます。しかも「卵胎生」といって卵をお腹の中でふ化させるので、幼虫の状態で生まれてきます。
幼虫は一度に十数匹生まれることもあり、しかも温度条件が良いと、一週間程度で親虫にまで成長し、産卵を始めます。冬の寒い時期を除き、基本的には一年中このサイクルで増え続けます。
バラの蕾や茎にびっしりとアブラムシが群れているのを見かけることがありますが、1か所で増えすぎると今度は翅の生えた幼虫が生まれ、新たな餌場を求めて飛び立つこともあるので、あっという間に広がっていきます。
一般的にアブラムシは黄色やオレンジ色を好む習性があり、このような花色の草花はアブラムシがつきやすいといわれています。
光を嫌う性質もあるので、この性質を利用してアブラムシを誘引する、黄色い粘着テープや忌避する銀色のマルチシートなどが販売されています。■アブラムシの二次被害に注意!
アブラムシは植物の汁液を吸うので、植物にとってはもちろん害虫ですが、アブラムシが汁を吸っても植物が枯れてしまうことはほとんどありません。アブラムシのやっかいなところは、二次被害が出ることにあります。
ウイルスに感染した植物に寄生して、汁を吸うと、一緒にウイルスを吸い込んで、運ぶことがあります。そうすると、ほかの植物にウイルス病を媒介してしまいます。
排泄物が葉に付着し、そこにカビが生えて真っ黒なすすに覆われたようになる「すす病」が発生することもよくあります。■アリを見つけたら……
また、排泄物には高濃度の糖分が含まれているので、アリが排泄物をなめるため植物に集まってくることがあります。植物の上をはい回っているアリを見たら、アブラムシが発生している可能性があります。
このようにアブラムシは植物の汁を吸う害虫だけではなく、とにかく1匹でも見つけたら、すぐに増えてしまう可能性があるので、防除が必要です。
苗の植えつけ時にあらかじめ土に撒いておくことでアブラムシ退治に効果を表す「ベニカXガード粒剤」や「家庭園芸用GFオルトラン粒剤」などを活用して、二次被害が出ないように、早めに防除することをお勧めします。
※このページは、住友化学園芸株式会社が(社)日本植物防疫協会のJPP-NETに集約された都道府県の情報や、お客様相談室に寄せられた情報をベースに、向こう1ヵ月間の家庭園芸で発生が予想される病害虫の防除方法についてご紹介しておりますが、天候状況や地域などにより異なる場合があります。予めご了承ください。