第4回 こうや豆腐で考える「食」と「健康」フォーラム 長寿県・長野に学ぶ食卓 ~こうや豆腐のおいしい実力再発見~

超高齢化社会を迎え、「健康長寿」に関心が高まっています。
そんな中、伝統食材であるこうや豆腐に秘められた力を学びながら笑顔あふれる食卓をめざし、「食」と「健康」について考えるフォーラムが、
7月29日(日)、大阪市内の松下IMPホールで開催されました。
第1部は鎌田實さんの基調講演、第2部は廣田孝子さん、白井操さんをパネリストに迎えてのパネルディスカッションに、約800名が来場しました。

第一部 基調講演 「幸せで、健康で、長生きの秘訣」 ~こうや豆腐の力~

「健康長寿」のために大切なのは、「貯筋」と良質なタンパク質。

私は、約30年前、当時脳卒中が多発していた長野県に赴任し、生活習慣の改善と健康づくりのアドバイスを行う活動を始めました。住民たちの健康への意識変化もあり、今や長野県は男女ともに短命県から健康長寿の県へと生まれ変わりました。長野県が取り組んだのは、野菜の摂取量を増やしたことと減塩、そして「歩け歩け運動」でした。

日本人が寝たきりになる原因は、1位が脳卒中、2位が認知症、次に骨粗鬆症を含めた骨、関節や筋肉の障害と続きます。運動によって筋肉を「貯筋」することは、健康長寿への大きな一歩です。最近の研究によると太ももなどの筋肉でつくられる「マイオカイン」という物質がさまざまな慢性炎症を抑え、免疫力を上げるなど、健康に大きく関与していることがわかってきました。慢性炎症とは、自覚症状はほとんどなく、がん、動脈硬化、アルツハイマー病などの病気につながる可能性のある炎症です。

マイオカインは若返りのホルモンとも呼ばれ、血糖値の低下、認知症予防やうつ状態の改善にも効果があるといわれる話題の成分。マイオカインをつくるのは筋肉です。いい筋肉を「貯筋」するには、運動と質の高いタンパク質をしっかりとることが大切です。

鎌田 實 氏

鎌田 實

医師・作家


第1部の基調講演と第2部のパネルディスカッションのコーディネーターを務める。30代で長野県・諏訪中央病院の院長に就任。「住民とともにつくる医療」を実践し、長野県の長寿日本一の実現に貢献。その傍ら医療支援や執筆活動、番組出演など多方面で活躍。ベストセラー「がんばらない」など。

幸せで健康な長生きを支える、こうや豆腐のおいしい実力。

タンパク質は、牛乳、卵、大豆、肉、魚からもとれますが、圧倒的に栄養バランスに優れているのが、こうや豆腐です。こうや豆腐には「レジスタントタンパク」という物質が他の大豆製品より多く含まれ、血糖値や悪玉コレステロール、中性脂肪の上昇を抑える働きも期待できることがわかっています。また、骨を強くする大豆イソフラボンやカルシウム、リンのほか、貧血になりにくくする鉄、新陳代謝に必要な亜鉛が豊富に含まれており、何より肉にかわる食感もおいしいですよね。タンパク質は摂取する時間も大切で、運動後30分以内にとると効果的だともいわれています。

最近は、こうや豆腐を好む食文化が残る関西でも、若い人が離れつつあります。意識して食卓に登場させ、お子さんやお孫さんにおいしさを伝え続けてほしいと思います。

どんなに健康によくても、無理や我慢は続きません。笑顔あふれる食卓を囲みながら、楽しい健康づくりをすすめていきましょう。

指導の様子

「1日30回のスクワット、もしくは爪先立ちからストンとかかとを落とす運動をおすすめします」と、鎌田先生。会場全員で指導を受けました。

第二部 パネルディスカッション 「おいしく食べてあしたも笑おう!」 ~こうや豆腐の力~

こうや豆腐で、いつまでも若々しく元気に過ごしましょう〈廣田孝子〉

世界的にも日本はトップクラスの長寿国です。その秘訣は、主食が米で魚介類、大豆製品をよく食べる低カロリーで脂肪の摂取量が少ない日本食にあります。とくに豆腐を乾燥凍結して栄養素がギュッと凝縮されたこうや豆腐はおすすめ!

体をつくり、免疫機能を高めるタンパク質、骨粗鬆症や高血圧、大腸がんなどに予防効果が期待できるカルシウム、スタミナ増強の鉄、細胞合成促進の亜鉛、脳・神経を若く保つコリンとオメガ脂肪酸などが含まれています。

毎日の食卓にこうや豆腐を取り入れ、いつまでも若々しく元気に過ごしましょう。

廣田 孝子 氏

廣田 孝子

京都光華女子大学 健康科学部
健康栄養学科教授


医学博士、管理栄養士、健康運動指導士。日本骨粗鬆症学会、日本栄養・食糧学会、日本栄養改善学会評議員。テレビ番組でも活躍。

こうや豆腐のいろいろなおいしさを楽しんで〈白井操〉

栄養価が高く、関西ではなじみ深いこうや豆腐ですが、関東の方はあまり召し上がらないということを、前回のフォーラムで知りました。これを機会に、皆さんもぜひ、こうや豆腐の新しい味にトライしてみてください。

熱湯でやわらかく戻してクリームコロッケにしたり、牛乳で戻してグラタンやコーンスープに加えるのもおすすめ。
カリッと香ばしい唐揚げは、おつまみにぴったりですよ。粉豆腐(粉状のこうや豆腐)と鶏ミンチでそぼろをつくれば、三色ご飯やおにぎりの具など、いろいろ楽しめます。だしで煮含める昔ながらの食べ方もいいですが、新しい知恵を加えることで、新しい文化が生まれていくような気がします。楽しくつくって、楽しく食べましょう。

白井 操 氏

白井 操

料理研究家


家庭で気楽に楽しめて健康にも配慮したレシピを広く提案。料理番組にも多数登場。兵庫県ひょうご「食」担当参与。

パネルディスカッションの様子

第2部は、鎌田氏、廣田氏、白井氏によるパネルディスカッション。会場に集まった約800名が「健康長寿」について熱心に耳を傾けました。

レパートリーが広がる!こうや豆腐料理のコツ

もっと健康、こうや豆腐。こうや豆腐普及委員会

栄養価の高いこうや豆腐を手軽に食べられるのが「こうや豆腐の卵とじ丼」。カチカチのこうや豆腐に少量のそうめんつゆをかけるだけで包丁で切れる程度に戻り、下味もつきます。斜め薄切りにすると豚肉や玉ねぎとなじみ、うまみもよく吸い、ふんわりおいしく仕上がります。栄養バランスもバッチリ!そばつゆを使う場合は、だしやみりんを少し加えるとやさしい味になります。

こうや豆腐 カンタンCOOKING

水で戻さなくてOK こうや豆腐 ラクしておいしい裏ワザ 調理の様子

こうや豆腐に直接そうめんつゆをかけるだけ!
下味がしっかりつき、やわらかく切りやすくなって、一石二鳥です。

レシピ1 おなじみの材料だけでパパッと簡単。こうや豆腐のパワーをヘルシーな丼に! こうや豆腐の卵とじ丼
こうや豆腐の卵とじ丼

材料

2人分


  • こうや豆腐2枚
  • そうめんつゆ(ストレートタイプ)大さじ4
  • サラダ油小さじ2
  • たまねぎ130g
  • 豚切り落とし肉100g
  • 【A】
  • 砂糖大さじ1
  • みりん大さじ1
  • 大さじ1
  • しょうゆ小さじ1~2
  • 小さじ1/2
  • 2個
  • 小松菜 (ゆでる) 適量
  • ご飯丼2杯分

つくり方


1

こうや豆腐は表裏に大さじ1ずつそうめんつゆをかけ、5分間ほどおいてしっとりとしたらそぎ切りにする。

2

フライパンにサラダ油を熱し、くし形に切ったたまねぎを炒める。しんなりしたら一口大に切った豚肉も加え、色が変わったら水カップ1を加え、を入れて2~3分間煮る。

3

【A】を加えてさらに2~3分間煮て、全体に味がなじんだら溶きほぐした卵を全体に回し入れ、ふたをして半熟に火を通す。

4

丼にご飯をよそい、をのせて小松菜を添える。好みで粉山椒や七味唐辛子をふっても。

レシピ2 味や食感の違いが楽しいから揚げ。栄養もしっかり! こうや豆腐と鶏肉のから揚げ
こうや豆腐と鶏肉のから揚げ

材料

2人分


  • こうや豆腐1枚
  • 【A】
  • 鶏もも肉300g
  • 大さじ1
  • しょうゆ小さじ1
  • 小さじ1
  • しょうが (すりおろす)小1かけ分
  • 【B】
  • そうめんつゆ
    (ストレートタイプ)大さじ2
  • 大さじ1
  • しょうが (しぼり汁)小さじ2
  • かたくり粉適量
  • 揚げ油適量

つくり方


1

鶏肉は余分な脂と筋を除き、一口大に切り、【A】で下味をつけしばらくおく。

2

【B】を合わせ、こうや豆腐の両面にかけて5分間ほど置き、6等分に切る。

3

にそれぞれかたくり粉を薄くまぶし、180℃の油でカラリと揚げ、器に盛る。あればオレガノを添えても。

レシピ3 こうや豆腐を粉にした粉豆腐なら、さらに手軽に! 粉豆腐入り鶏そぼろ
粉豆腐入り鶏そぼろ

材料

(つくりやすい分量)


  • 粉豆腐
    *こうや豆腐を粉末状にしたもの。
    大さじ6
  • 鶏ひき肉200g
  • しょうが (すりおろす)1かけ分
  • そうめんつゆ (ストレートタイプ)大さじ3
  • 【A】
  • 大さじ2
  • 砂糖大さじ2
  • しょうゆ大さじ1
  • ひとつまみ
  • ごま油小さじ2

つくり方


1

粉豆腐にそうめんつゆを加えて混ぜる。

2

フライパンにごま油をなじませて鶏肉を炒め、水1/2カップとの粉豆腐を加えて弱めの中火で2~3分間煮る。大きな塊があれば、ヘラでつぶしながら煮る。

3

【A】としょうがを加え、水分がほぼなくなるまで煮る。

4

炒り卵、ゆでたいんげんと共にをご飯にのせて3色ごはんにしても。

レシピをつくった人

白井 操 さん


家庭で気楽に楽しめて健康にも配慮したレシピを広く提案。料理番組にも多数登場。兵庫県ひょうご「食」担当参与。