

寄せ植えとは、一つの器に複数の植物を植え込むことです。
スペースがなくても複数の植物が楽しめ、1種類で楽しむときとは違った組み合わせの面白さがあります。
このページでは誰でもすてきな寄せ植えを作れるコツを紹介します。
寄せ植え向きの植物選びや、植えつけのポイントを園芸家の上田広樹さんが解説。
参考になるキレイな作品写真もいっぱいです! 季節に合わせて自分スタイルの寄せ植えを楽しみましょう。
寄せ植えの基本
観賞期間の目安
寄せ植えの観賞期間は、2~3か月程度です。長期間楽しめる寄せ植えを作ることもできますが、長く楽しむことを求めすぎると、使用できる植物が限られます。開花期の短い植物を使用すると、観賞期間が1か月程度ということもありますが、その季節ならではの花や色を楽しむのも、寄せ植えの魅力です。
管理のコツ、基本的な作業
●肥料:植えつけから10日~2週間して根づきはじめたら、追肥をスタートします。1~2か月に1回、固形の緩効性化成肥料を置肥するか、次々に花が咲く植物は7日~10日に1回の液体肥料が効果的です。
●水やり:寄せ植えは一つの器に複数の植物を植えるので、水やりは過湿に注意して乾かし気味に管理しましょう。
●切り戻し、花がら摘み:春から夏にかけては、茎や枝が伸びすぎたら、バランスを見ながら切り戻します。元気な葉のついた節を数節残しておけば、また茎や枝を伸ばします。花がら摘みや枯葉取りも忘れずに行い、寄せ植えを美しく保ちましょう。

1.主役の植物を決めましょう
寄せ植えのづくりの第一歩は、主役の植物を決めることから始まります。主役といっても、豪華な植物でなくても大丈夫。自分が一番「好き」な植物が、寄せ植えの主役です。主役に高さやボリューム、華やかさが足りなければ、ほかの植物でサポートしてあげればよいのです。早速園芸店に行って、お気に入りの植物を探しましょう。
2.テイストをイメージしましょう
主役の植物が決まったら、次は合わせる器や容器を選びます。その際に大切なのが、テイストをそろえること。
置き場所や楽しみ方に合わせて、つくりたい寄せ植えのテイストをイメージしてみましょう。
3.器を決めましょう
さまざまな形や材質、色があるので、テイストに合った質感や色合いのものを探しましょう。
素焼き鉢は通気性や水はけがよく、植物がよく育ちます。はじめて寄せ植えを作る人には、大きさは、ある程度株数が植えつけられる8号鉢くらいがおすすめです。
-
素焼き・陶製
素焼きは通気性や水はけがよく、植物がよく育つ。釉薬をかけて焼いた陶製は通気性、水はけで多少劣るが、生育には問題はない。高温で焼いたものほど固く、暑さや寒さにも強いのが特徴
-
グラスファイバー製
ガラス繊維でできた器で、デザイン性に優れる。素焼きや陶製の質感を再現しつつ、軽量で持ち運びしやすいのが特徴。暑さ寒さにも強いので、戸外でも使用できる
-
金属
ワイヤーやブリキなど、さまざまな色合い材質のものが出回る。軽量でデザイン性があり、さびも自然な風合いとして楽しめる。排水用の穴をあければ、インテリア雑貨の器も使用できる
-
樹脂、ウッド
陶製とよく似ているが、形やデザインが豊富。つやがあり上品なイメージに。ウッドは軽量でナチュラルな雰囲気を演出。器の下にレンガなど敷いておくと長持ちする
4.デザインを考えましょう
バランスのよい寄せ植えを作るために、基本の2つのデザインをマスターしましょう。一つが、高、中、低の3段階を軸に高低差を付けたデザイン。もう一つが、ドーム形にこんもりと茂らせるデザインです。
基本のデザインが上手にできるようになったら、自分流にアレンジしてみましょう。
5.合わせる植物を選びましょう
主役の色味やボリュームをサポートする植物、主役やサポート役を引き立てるカラーリーフプランツなどを選べば、役者が揃います。植物選びに迷ったら、色目を優先して考えましょう。
きれいな色合わせの基本は、同系色でグラデーションをつける、反対色で際立たせる、の2つの方法です。

4つのシーズンを代表する寄せ植え向きの花を紹介します。主役や主役をサポートする花として楽しめます。植物選びの際の参考にしてください。
みんなの作品
アルバム写真に投稿された、みんなの寄せ植え写真です。寄せ植えづくりの参考になる作品がいっぱいです。
もっと見る

2017年4月3日~7月3日に、「みんなの趣味の園芸」と、プロトリーフ&ハイポネックスジャパンの共同主催により開催した「第3回 寄せ植えコンテスト」。受賞作品の一覧をこちらからご覧いただけます
ブック
NHK趣味の園芸
寄せ植えスタイリングブック
草花の魅力を120%引き出す
上田広樹 著
寄せ植えのスペシャリスト・上田広樹さんがつくり出すさまざまなタイプの寄せ植え作品を、植物の旬ごとに4つに分けて80点余りを紹介。さらに、組み合わせの妙で植物の魅力を存分に引き出し、どんどん美しくなっていく、上田流寄せ植えづくりのテクニックを余すところなく伝える一冊。