9月になって球根植物の植え替えシーズンになりました。今回の話題は海外の球根性地生ランです
海外の地生ランを何年か栽培していると、現地の愛好家の方々がこれらのランをどのように栽培してるのか興味が出てきて英語のサイトを覗くようになった人もいるかと思います。用土の構成などは日本とは当然全く違っていて、例えばヨーロッパでは用土に金魚砂(aquarium gravel)のような物を混ぜる事で排水性を改善していたり、オーストラリアでは用土の表面に松葉のようなモクマオウ(she-oak needles)のチップをかぶせる事でマルチングと同時にどうやら共生菌の繁殖を行っているらしいなど興味深いものです。
さて、今シーズンはある実験をするためにビーオーキッドの一種のOphrys bombylifloraを追加で購入しました。このランはヨーロッパの地生ランの入門種とされる割には開花率が今ひとつで、アナカンプティス等よりは明らかにワンランク上の難易度という認識です。これは僕の環境では分球する割に開花球が得られにくいからで、温度や日照、施肥で解決できる問題でもなさそうな印象を受けています。
今回は鉢内の環境に問題があると仮定して、オーストラリアの愛好家がテリミトラ属などに行っている植物質でマルチングをするという方法をこのランにも応用してみようと思います。Web上で見られるOphrys bombylifloraの自生写真には、株元が松等の落葉で覆われているものが意外とあるようです。マルチングを行う事で株元の保湿と通気性の改善や、過湿や用土との摩擦による感染症の予防、運がよければ鉢内の共生菌の環境も改善できるのではないかという考えです。
オーストラリアの愛好家が地生ランの栽培にマルチング材として使うという松葉のようなモクマオウ(she-oak needles)のチップは生分解されにくい性質を持つようですが、日本での入手は本州では少々難しそうです。ヨーロッパでこの方法を試すときは耐久性は劣るものの常緑性の松葉(pine needles)のチップで代用するそうです。これは日本でも可能かも知れませんが、拾ってきた松葉は気分的にも使いたくないのでヤシガラを原料とするベラボンのSサイズで代用してみる事にしました。適度に生分解されにくい繊維質かつ清潔で良さげな印象を受けます
写真1は今回新たに入手したOphrys bombylifloraとピンク色のテリミトラ、Thelymitra rubra。用土そのものの構成は今回は変更せず、バーク堆肥を含む物を使用します。
バルブは縦向きに植えて2cm程度覆土し、写真2のようにベラボンのSサイズでマルチングを行っています。マルチングの方法は、鉢土の表面に5mm程度の厚さに盛る感じで、無理に押し固めたりはしていません。鉢の直径は110mmです。なお、洋ランなどに使われるMサイズのベラボンは今回の目的には大きすぎる印象でした。
写真3は既にこの方法を試しているThelymitra cyanea。ほぼ常緑の湿性種のテリミトラで、7月頃から発芽しています
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