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プランター野菜は「水」で育てる!~水やりの極意【やさいの時間4・5月号こぼれ話】

プランター野菜は「水」で育てる!~水やりの極意【やさいの時間4・5月号こぼれ話】
撮影(右)/渡辺七奈

『やさいの時間』4・5月号の「基本の作業と道具 プランター編」では、プランター栽培の水やりの基本を紹介しています。でも、これはほんの基本。じつは、プランター栽培では「野菜は水で育てる」といわれるほど、水やりって奥が深いんですよ。

ウェブだけで読める「こぼれ話」では、この時期から栽培を始める夏野菜を中心に、プランター栽培の水やりを深堀りします。

 

水やりの時間は、なぜ早朝がいい?

 

基本的に、水やりは午前中の早い時間帯に行うのがおすすめ。それは、朝に水切れしていると、植物が蒸散や光合成を行えなくなるからです。通常、日の出とともに植物は活動を始めますが、水切れしていると、体内の水分をそれ以上失わないように気孔を閉じて活動を停止してしまうのです。
朝の水やりは、植物にとっては活動開始のスイッチになるんですね。

 

「鉢底から流れ出るまで」水をやるワケ

 

テキストではよく、「鉢底から流れ出るまでたっぷり水をやる」と書いています。この「たっぷりの水やり」には、じつは、土の表面を湿らせる程度ではすぐに水切れするという理由だけでなく、プランター内の空気を入れ替える目的もあるんです。
水にも空気が含まれているので、鉢底から流れ出るまで水をやることで、古くよどんだ空気を押し出して新鮮な空気を根に供給できます。根が常に新しい空気を吸えると、株全体が元気に育つんですよ。

 

マルチングした場合は、マルチの上から水をやる

 

プランター栽培のマルチングでは、ヤシ殻チップやヤシの繊維、アルミ箔などで土の表面で覆います。トマトやナス、キュウリなど夏野菜の栽培では、マルチングすると、土の乾燥や泥のはね返りによる病気を防ぐことができます。
日々の水やりや液体肥料を追肥する場合は、このマルチングの上からでOK。ただし、マルチング資材にアルミ箔を使う場合は、土に水がしみ込みやすくなるように、割り箸などでところどころに穴をあけておくといいですよ。

 

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水やりや液体肥料の追肥は、マルチングの上からで大丈夫。

 

タネまき後、霧吹きで水をやる野菜もある

 

基本的に、タネまき・植えつけのあとにははす口をつけたジョウロで水をやりますが、なかには霧吹きで水をやったほうがよい野菜もあります。ニンジンやミツバのように、タネが小さくて乾燥に弱い野菜などです。
これらの野菜は、タネが小さくて保水力が低いので、発芽まで土を乾燥させないことが重要な栽培ポイント。まず、はす口をつけたジョウロで土全体をしっかり湿らせてからタネをまき、タネまき後にもう一度、霧吹きで水をやります。そうすることで、発芽時の水切れを防げるんですよ。

 

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ニンジンのようにタネが小さい野菜は、水やりでタネが動かないように、タネまき後の水やりは霧吹きで行うのがベスト。

 

成長に合わせて水のやり方を変えよう

 

苗から野菜を育てる場合、植えつけ直後はたっぷり水をやりますが、その後は土が乾くまで待ってから水をやるようにしましょう。そのほうが、根が水を求めてよく伸びるからです。
実がつき始めたら、今度は葉がしおれる前にたっぷり水をやって、大きくて形のよい実をつけさせます。水切れすると小さな実しかつかなかったり、形の悪い実になったりしてしまいます。トマトは、水を切って育てると甘い実になりますが、サイズは小さく、皮は堅くなります。目的に合わせて水の量を加減すると、いいかもしれませんね。
エダマメやインゲンなどのマメ類は実がつくより前、蕾がついたタイミングで水やりの量を増やすと、花が落ちずに収穫量がアップ。特にエダマメは、豆がよく太りますよ。

 

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実が曲がったキュウリ。株の疲労のほか、水切れなどのストレスが原因で起こる。

 

正しい水のやり方を覚えて、野菜を元気に育ててくださいね!

 

(撮影/渡辺七奈)

 

次回の「こぼれ話」は、次号6・7月号に関連して、5月下旬に公開予定です!

 

▼これまでのこぼれ話はこちらからお読みいただけます

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『やさいの時間』編集部によるテキストこぼれ話。誌面で紹介しきれなかったお役立ち情報を、ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」で公開!【不定期公開】

 

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『やさいの時間』2024年4・5月号

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