30年前ほど、
父が、
「昌克~、南アフリカから来たでっ!」
「なにが?」
「ディサやー、神のランやー」
「すごいやん、でも栽培は暑がって夏越し無理でしょ?」
「だから無菌苗を輸入したんやー」
「枯らしても枯らしても、昌克が永遠に試験管のなかで殖やしてくれるやろっ?」
「?」
「ほらっ、試験管!」
手渡された小指程度大きさの試験管。
試験管のなかには、爪先程度の細胞塊。
「ちっちゃ、いくらしたん?」
「一万円くらいかなぁ~」
「たかっ!」
いまは亡き父のラン好きはすごいものがありました。
いつも海外のランの洋書を眺めていて、
魂は世界中のラン原産地へ飛び回っていたようです。
そんな父のお陰で、幼い頃から世界中の珍しいランを見せてもらいましたから、ほんまにありがたいことです。
家が博物館のような環境でした。
画像はマグカップに印刷されたディサ!
このマグカップを使う度に父とディサを思い出してしまう。
それにしてもディサの再増殖は容易でした。
試験管のなかで、幼苗が出来ると、
大きなフラスコ苗のなかで、苗を真横にして培地の表面に寝かすんです。
たったそれだけで、節から新たな幼苗が立ち上がってくるんです。
植物ホルモンも
特別な培地も必要としなかったディサ。
ただ頂芽優勢を崩すだけで大量増殖できるもの。
サギソウのような販売価格で販売可能だと思う。
栽培維持が困難なら、
切り花を生産して
神様のランを提供していきたいものですね。
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殖やしてくれるやろっ?
返信するここへ来て
再びお父さまが
ささやいておられるのでしょうか。
トミー先生が
広めてくれるやろっ?
赤いラン。
見てみたいです。
育ててみたいです。
いつか切り花が入手できたら、
こちらでアップしますね。トミー
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