荻原さんおすすめ!日陰の植栽が美しいガーデン〈リーフの組み合わせが見どころ〉【趣味の園芸6月号こぼれ話・前編】
『趣味の園芸』2024年6月号の「アジサイと日陰の庭」特集では、カラーリーフを使って、あきらめがちな日陰の庭を明るくセンスよく楽しむ方法を、園芸研究家の荻原範雄さんに教えていただきました。『おぎはら流 がんばらなくても幸せな庭 宿根草のナチュラルガーデン』の著者でもあり、長野県上田市で人気の宿根草専門店を営む萩原さん。ウェブだけで読める「こぼれ話」では、日陰の庭づくりの参考になる、荻原さんおすすめの、長野県のガーデンを紹介していただきます。
前編で紹介するのは、バラの植栽でも有名なこのガーデンです。
リーフだけでも見ごたえ抜群!【軽井沢レイクガーデン】
編集部(以下、編):6月号では、日陰で育つ植物をたくさん紹介していただきました。日陰でも楽しめる植物がこれだけあるということに、励まされる方も多いと思います。
荻原範雄(以下、荻):日陰といっても条件はさまざまですが、カラーリーフを中心に、楽しめる植物はたくさんあります。重要なのは、その使い方です。
私の住む長野県には、日陰の植栽が美しいガーデンがいくつかあります。ご家庭の植栽の参考にもなると思いますので、数か所ご紹介します。ちょうど、これから6月中が見ごろですよ。
まずは、軽井沢レイクガーデンです。
編:軽井沢レイクガーデンといえば、ローズガーデンのイメージがありました。
荻:もちろん、バラの植栽も見事です。が、じつは日陰の面積もかなり大きいんです。ご家庭のお庭もそうですが、ガーデンができて年数が経過すると、樹木が大きくなり、木陰になる面積がふえていきます。軽井沢レイクガーデンは、そうしてふえた日陰も上手に活用しています。
私の思う最大の見どころは、リーフの組み合わせです。葉の色や形が異なる種類をうまく組み合わせると、リーフだけでも見ごたえのある景色がつくれます。
ギボウシ、クサソテツ、ヤグルマソウなど。形の異なるリーフの組み合わせがおもしろい。
ブルー系と黄色系のギボウシを組み合わせて。銀色の斑点模様がユニークなプルモナリア・サッカラータや、斑入りのラミウムも美しい。
ヤグルマソウやサラシナショウマの緑のなかで、銅葉のヒューケラ‛パレス パープル'がよく映える。
荻:アルンクスやムラサキツユクサ、アストランティア、アスチルベなど、日陰でも花を咲かせる植物もたくさん植栽されています。
ふんわりした優しい雰囲気の花を咲かせるアルンクス。
日陰で明るいピンクの花が目を引くムラサキツユクサ。
花形も美しいアストランティア。
荻:日陰の庭の心地よさを感じられるポイントが、ほかにもたくさんあります。「植栽の参考に」と言いましたが、あまり細かいことはお気になさらないでください(笑)。ゆっくり過ごしてリフレッシュしてもらえると私も嬉しいです。
心地よい木陰の小径。フリルがかったギボウシも美しい。
編:写真で見ていても癒やされました。後編でご紹介いただけるガーデンも楽しみです!
(撮影/桜野良充)
● 軽井沢レイクガーデン | (karuizawa-lakegarden.jp)
▼後編では、さらに2つのガーデンを紹介します!
荻原範雄(おぎはら・のりお)
長野県上田市で宿根草専門店を営む。扱う植物は4000種を超え、すべて自身でも栽培。国内の育種家や生産者と交流し、海外からの最新品種の導入も積極的に行う。『おぎはら流 がんばらなくても幸せな庭 宿根草のナチュラルガーデン』(NHK出版)など著書多数。
(撮影/田中雅也)
『趣味の園芸』2024年6月号
改めて知りたいアジサイ栽培の基本、最新品種、今年行きたいアジサイ名所からヤマアジサイまで。 この時期頼りになるカラーリーフで、庭の日陰を明るく心地よい空間に一変させる方法も紹介。盛夏の宿根草ガーデンにおすすめのフロックスにも注目。「猛暑に勝つ!」シリーズ、アジサイ苗の読者プレゼントも!
●ウェブだけで読める! 趣味の園芸テキストこぼれ話
『趣味の園芸』編集部によるテキストこぼれ話。最新号の特集や記事に関連して、誌面で紹介しきれなかった情報をウェブ限定でお届けします。
荻原範雄さんの本
NHK趣味の園芸 おぎはら流 がんばらなくても幸せな庭 宿根草のナチュラルガーデン
国内外で注目を集めるローメンテナンスな庭「ナチュラルガーデン」。宿根草のスペシャリスト・荻原範雄さん(「おぎはら植物園」店長)がナチュラルガーデン向きのいま育てたい宿根草ほか346種の植物と、日陰・酷暑・狭いなど植え場所の悩みに応じた植物選びをレクチャー。
手間をかけなくても元気に育つ宿根草なら、むずかしい植栽デザインやめんどうな手入れから解放され、肩の力をぬいた庭づくりが楽しめる!
負担を減らしたシンプルな栽培法、豊富な庭の写真も必見。[著者]荻原範雄