新潟県立植物園さんの園芸日記
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本物のシュウメイギク

2010/10/09
本物のシュウメイギク 拡大 写真1 本物のシュウメイギク 拡大 写真2 本物のシュウメイギク 拡大 写真3

 園芸日記担当の倉重です。思いつきで今回も本物シリーズにしました。とはいっても、他のネタは思いつきませんので今回で終わる予感が濃厚です。

 皆様には釈迦に説法で恐縮ですが、今回取り上げるシュウメイギクはキクの花に似て、和名にもキクとつきますが、キンポウゲ科イチリンゾウ(アネモネ)属の多年草です。クリスマスローズと同じく、花に見える部分は花弁化した萼です。
 前置きはこのくらいにして。
 
クローバー今日の話題19 本物のシュウメイギク
 シュウメイギクは八重で普通結実しないことから、近縁で一重で結実する中国の野生種(Anemone hupehensis アネモネ・フペヘンシス)の変種(var. japonica)であり、古い時代に中国から渡来したといわれます。

 花壇地錦抄(1695)には、「しうめい菊 花紫 八重 きくのことく」とあります。本草図譜(1828完成)にも彩色図がありますが、何といっても有名なのはシーボルトの日本植物誌の植物画でしょう(色は紅色で実物とは違いますが)。京都大学電子図書館内に掲載されていますのでご覧ください(http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/b01/image/01/b01s0201.html)。

 お気づきだと思いますが、現在シュウメイギクとして販売されているものは、かつてのシュウメイギクではありません。いつの間にか、違う種類がシュウメイギクになりかわってしまったのです。写真左が本物(個人宅の栽培品)。
 
 現在シュウメイギクとして栽培される系統は、シュウメイギクとタイワンシュウメイギク(A. vitifolia)の交配種(A. x hybrida)、またはシュウメイギクの母種フペヘンシスの園芸品種(写真中央‘ハドスペン・アバンダンス’)で、ほとんどが海外で改良されたものです。
 シュウメイギクにくらべ、草丈が1~1.5mと高くなり、花も大きくなっています。海外ではジャポニカ・ハイブリッドと呼ばれますが、日本には特別な名称はないので、まあシュウメイギクでも良いとは思いますが、長い栽培の歴史のある本家本元が忘れられてしまうのは残念なことです。

チューリップ写真右はサービスで載せた新潟のモリアオガエル。斑紋のないタイプです。

「本物のシュウメイギク」関連カテゴリ

みんなのコメント(10)

こんばんは。
ありがとうございます。とっても勉強になりました。
このコーナーを続けていただけることを期待します。

我が家にも白いプレーンの現在のシュウメイギクがありますが、
まったく菊の形(葉も花も)をしていないし、
成長の方法も菊っぽくないと感じ、
なぜ「秋明菊」という名前がついているのか不思議でした。
でも、イラストを見ると本物のシュウメイギクも
シューっと茎が伸びた先に花が咲くのですね。
シュウメイギクは結実しないで絶えそうなのですか?

真ん中の現在のシュウメイギクの色もあまり見かけないもので
とてもステキですね。

カエルのコメントは控えておきます冷や汗

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chackee様

 コメントありがとうございます。続けるようにがんばります!

 プロフィールを拝見しました。私も12年間前橋に住んでいましたので、とても懐かしい場所です。今でもツツジの調査の関係で館林に時々行きます。

 野生化したシュウメイギクは少なくなっていると思いますが、生産や栽培は今でも多少はされています。タネはできませんが、環境が良ければランナー(走出枝:地面の浅いところに伸びる枝)でどんどんふえます。石垣の上など排水の良い、半日陰のような場所では絶えずに長期間育っています。

 真ん中の写真の品種は最近販売されているものです。良く植えられている白一重で1mを超える草丈のシュウメイギクは、品種名が明記されずに販売されていますが、‘Honorine Jobert'(オノリーヌ・ジョベールと読むのだと思いますが・・・良く分かりません)ではないかと思います。1858年にできた古い品種です。

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こんばんわ。

裏のお宅の庭にぽつぽつと咲いてきれいだな、と眺めさせてもらっています。今年も咲きはじめたようです。我が家の方にもこないかな、と待っていますが、なかなかきてくれません。すぐそこなのに。

どちらもキクじゃなかったんですね。
この場で本家本元のシュウメイギクをしっかりと瞼に刻んでおきます。

カエル、決めポーズ。かっこいいですね。

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こんばんは。

我が家にも4品種ありますが、
たぶん古来からあるという紅紫色八重咲きが、
一番丈夫でしょうか?かなりの株数になりました。
まだ蕾のまま・・・

白の一重は一番背が高く、花が最初に咲きます。

ピンク一重(獅子葉)は、ようやく一輪咲きました。

白一重(ダルマ)・・・名前の通り、一番低いです。
花は咲いていません。

この夏、白一重咲きの株が突然枯れました。
隣の株は元気ですが・・・

花が咲いたら、本物の「秋明菊」か確認(日記で紹介したいと思います)

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グレープ様

 いつもコメントをありがとうございます。

 ちょっとでも距離があると、シュウメイギクはなかなか来ないようで。元株を中心に周りにふえていくようですので、裏のお宅からは難しいかもしれませんね。

 今の時期でしたら、本物がフラワーランドや花夢里で売っているかもしれません(ローカルな話題ですみません)。

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hanura様

 コメントをありがとうございます。

 先週園内を見てみたら、ぼちぼち咲きはじめていました。今年の夏の暑さで傷んで、いまひとつ元気がないようです。

 本物のシュウメイギクの写真は去年の撮影したのですが、10月6日には満開でしたので、今年は遅いようです。

 日記、楽しみにしています!

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新潟県立植物園様   こんばんは。

 我が家にも、二株友人に貰ってあるのですが、昨年も今年も花は付きませんでした。植えた場所が悪いのか、肥料不足なのか判りません。

シュウメイキクの咲く条件など教えてください。

我が家では、サザンカの木の下で、東向きですので、朝日はあたりますが、昼前から日陰になります。葉っぱだけひょろひょろのびていますが、元気ありません。肥料は、いつやったか覚えていません。すみません。

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花好きかんちゃん様

 こんばんは。コメントありがとうございます。

 実物を見ないと、なかなか花が咲かない原因を申し上げるのは難しいのですが、多分夏期の乾燥が原因ではないかと思います(花芽ができる時期だと思います)。腐葉土などによるマルチングは有効です。また、茎が細くて全体に弱々しいようでしたら、日照不足も考えられます。

 ご参考までに、中国のフペヘンシスの自生地は、丘陵地の低木林や草原、川沿いなどですので、日当たりで、排水がよく、夏に乾燥しすぎないような土壌が適していると思われます。

 私は肥料はほとんどやったことがありませんが、そのせいで咲かないことはありませんでした。

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有難う御座いました。

やはり場所が悪いのですね。移動させてみます。

夏季の乾燥も考えられます。草花は、毎日水を与えますが、樹木ですので与えません。根っこ付近に草花があることを忘れて。

返信する

花好きかんちゃん様

今年の夏は暑くて、しかも雨がほとんど降らなかったので、シュウメイギクの花の咲きも悪いようで、開花も遅いようです。

 来年は花を見られると良いですね。

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