Aquilegiaとは、オダマキ属をさす。
aquilegusで「水を集める者」の意だ。
花壇に、鷲の爪のような形のパステルカラーの花が
一斉に咲きだす頃に、
私は初めて親元を離れて、学校の寮に入った。
最初の花壇園芸学の授業で習った花の一つが
セイヨウオダマキだった。
鷲の爪のような形の中に水を溜められるから
オダマキは「水を集める者」だと教師は言った。
「アクイレージア アクイレージア」
唱えれば魔法の言葉。
瞳を閉じて、瞼の内側の扉を一つ閉ざす。
微かな軋みと共に、目の前はうす暗くなる。
どこかで水が滴る音がする。
何の水だろうか?
どこを潤すのだろうか?
先ほど閉ざした扉の向こうには、
私の意に沿わぬ人が居た。
あの人が、
転げ回りのた打ち回る程苦しめばいいと思うような、
何も起こらず、
そのまま全てが消え去ればいいと思うような、
そんな思いが、私の中に毒薬のように滴る音か?
急に呼ばれたから、眼を開けたら、
幼い子が、
小さな手を広げて原始の言葉でこの世を言祝ぐ。
この子が、
花のように咲き誇ればいいと願うような、
そのまま全てが永遠であればいいと願うような、
そんな思いが、誰かを潤すように滴る音か?
どんなにぴったりと掌を閉じても、
滴り落ちる水がある。と誰かが書いていた。
そうだ、思いも滴り落ちる。
私の黒い思いも、白い思いも。
どうか、一つでも多く、
誰かを潤し私を湿らせる、そんな思いを重ねていきたい。
こんばんは
返信するいつも、あなたの思いとあなたの言の葉に、潤されています。<(_ _*)>
風葉子様
返信する思いって、水のようですよね。
手で掬い上げようとしても、全部は掬えない。
零れるほうが多いかも。
難しいですねぇ。
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