南アフリカのヒガンバナ科の小球根、Haemanthus carneusが開花しました。入手から3シーズンで今回が初開花です
この原種は南アフリカの東ケープ州のサマセット・イースト(Somerset East)周辺のみから知られるようで、その意味では極めてローカルな植物と言えそうです。Haemanthus属内での近縁種はH. humilisになるようですが、H. humilisとは花型が全く異なり、H. carneusは雄蕊も雌蕊も花被よりも遙かに短いという特徴があります。Haemanthus属でこの特徴を持つ原種はH. carneus一種のみらしく、この写真では雄蕊は花被の半分~長くても2/3程度です。
種小名の"carneus"は「肉(の色)の」を意味し、赤味の強い牛肉よりもピンク味の強い豚肉や鶏肉などの色のイメージがあります。この写真の個体の花色はごく薄いピンクですが、Webで他の開花例を見るとかなり個体差が見られるようで、もっと濃色の物や、ほとんど白に近い物まで存在するようです。
この後開花が終わると、長さ7cm程度の灰緑色の楕円形の葉が地際に2枚出てきて冬中鑑賞出来ます。この葉は表側は無毛ですが、裏側(地面に接する側)には結構長い剛毛が生えています。
写真3は近縁と言われるHaemanthus humilis (subsp. humilis)との比較。H. humilisはこの時期はもう展葉と結実をしていて、植物体の大きさも全く異なります
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