映画『ローズメイカー 奇跡のバラ』~日本を代表するバラ育種家・村上敏さんに聞く
笑って、泣いて、希望の花が咲く、感動の逆転サクセス・ストーリー、映画『ローズメイカー 奇跡のバラ』が、5月28日より全国で公開されます。
世界最高峰のバラ・コンクールに挑むのは、バラがすべてのバラ育種家(ローズメイカー)と、世間から見放されたド素人3人組―。愛すべき《はみだし者たち》の人生がいま、花開く!
あふれる才能で魅惑的な新種のバラを開発し、数々の賞に輝いてきたエヴ。だがライバルの巨大企業に顧客を奪われ、亡き父が遺したバラ園も今や倒産寸前に。そこでしぶしぶ職業訓練所から格安で訳アリの素人3人を雇うが、手助けどころか失敗ばかり。そんな中、エヴに新種のアイディアが閃いた! コンクールまであと1年、頑固者のエヴとはみ出し者たちの壮大な奮闘が幕を開ける──!
主演はフランスが誇る大女優、カトリーヌ・フロ。バラの魅力でスクリーンを満たすために、仏最高峰のローズブランドやバラ師が完全監修した。エンドロールですべての人が大輪の希望の花を受け取る、感動の物語。
バラのカリスマ 村上 敏さんインタビュー
本作でカトリーヌ・フロが演じるエヴの職業は、バラ園を経営する才能あふれる育種家!ということで、日本で園芸好きの方にはお馴染みの京成バラ園ヘッドガーデナー&ブリーダーの村上 敏さんに、プロのバラ育種家の目からみた主人公のエヴについて、そして本作の見どころをお聞きしました。
豊富な知識・経験をもとに、愛好家に栽培法などをわかりやすく紹介、「趣味の園芸」をはじめ、全国各地のセミナーで講師を担当する村上 敏さん。
自分が経営するバラ園の倒産危機に陥ってしまう、主人公エヴの印象について「新しいバラを生みだすことならなんでもチャレンジ(やらかして)してしまう。育種家として情熱に共感できますし、経営者としての顔のギャップなど実に人間臭い」と解説します。
そんなエヴのもとに職業訓練所からやってきた3人への接し方についても「バラが全てなだけに、バラを知らない人を見下げながらも教育し、結果、互いの個性を認めてなじんでゆくところも好印象」との感想を寄せてくれました。
また、本作の見どころについてお聞きすると、「種には可能性が眠っています。ほとんどが世に出ることなく消え去る運命でも、種をまかなくては新しい美や価値は生まれません。新品種は親の遺伝資源の数、育種家のセンス、たくさんの数の種をまくことのできる広大な敷地、財力などがそろっているほど有利です。でも運命の一粒が個人育種家の手元に転がり落ちる可能性も0ではないのです」と実際に新品種を生み出すことの難しさに言及しつつも「人にも様々な個性があり、与えられた環境の中で芽がでたりするものです。可能性を信じて生きることでしか未来を切り開くことはできないのではないでしょうか」と、バラを育てること、人を育てることを重ね、チャレンジする大切さを語り、本作のメッセージに深い共感を持ったことを明かしてくれました。
(取材/松竹)
映画『ローズメイカー 奇跡のバラ』
2021年5月28日より全国ロードショー
監督・脚本:ピエール・ピノー
出演:カトリーヌ・フロ、メラン・オメルタ、ファツァー・ブヤメッド
2020 年/フランス/フランス語/96 分/原題:La Fine fleur
THE ROSE MAKER © 2020 ESTRELLA PRODUCTIONS - FRANCE 3 CINÉMA - AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINÉMA
配給:松竹
※上映スケジュールは変更になる場合があります。最新の情報は、映画公式ページおよび各劇場のホームページより、ご確認ください。