真夏の太陽に打ち勝つ巨神! タイタンビカス
猛暑のなかでも大きな花を咲かせ続けるタイタンビカス。7月上旬から10月上旬まで、1シーズンで200輪以上もの花を楽しめます。北アメリカ原産のモミジアオイとアメリカフヨウから交配によって生み出された宿根草です。寒さにも強く、一度植えつければ毎年、夏の庭をパワフルに飾ってくれることでしょう。園芸研究家の倉林雪夫(くらばやし・ゆきお)さんに、その特長を教えてもらいました。
* * *
露地なら水やりなしでもOK 「暑さでしおれているのを見たことがない!」
大きなものでは花径25cmにもなるというタイタンビカス。強い日ざしのなかでしおれもせずに元気に育つ強健さが身上です。草丈も2mを超え、ギリシャ神話に出てくる巨神タイタンの名に恥じない存在感で、庭を飾ります。
交配によってこの花を生み出した倉林雪夫さんは「露地なら真夏でも水やりなしで大丈夫!」と太鼓判を押します。
鉢はとにかく大きく8号以上、20号でも大丈夫
タイタンビカスは、真夏に新しい苗を購入して植えつけても、秋まで十分に花を楽しむことができます。わずか3か月ほどで樹木のように大きくなるため、植えつけるスペースは1株で0.5〜1平方メートルは必要。鉢植えの場合は最小でも8号以上、20号でも大きすぎることはありません。
倒れ防止に土は重いものを選ぶ
土の種類は問いません。とはいえ、もともと湿地に生えるモミジアオイを親としているため、水もちのよい土がベターです。
土選びで重要なのはむしろ「重さ」。草丈2mを超える茎が倒れないよう、根まわりをしっかり支える重量のある赤玉土を主体に用います。
■『NHK趣味の園芸』2016年7月号より