プラス1作でコスパアップ! 夏野菜のスタート前に育てられる野菜はこれだ!【やさいの時間2・3月号こぼれ話】
『やさいの時間』2・3月号では、春から育てられるさまざまな野菜の栽培方法を紹介しています。次の4・5月号では、トマトやナスといった夏野菜の栽培を紹介しますが、この「こぼれ話」では、収穫までの期間が短くて、夏野菜のスタート前にちょこっと栽培して畑を有効できる、スプリンター野菜を紹介します。
約1か月で収穫できる野菜なら、プラス1作が可能に!
秋冬野菜の収穫が終わったあと、畑がガラガラに空いてはいませんか? 3月には気温が上がってポカポカ陽気になるのに、夏野菜のスタートまで空いたままにしておくなんて、とってももったいないですよ!
トマトなど夏野菜の植えつけ適期は、中間地なら4月下旬~5月中旬。その前に、約1か月で収穫できる野菜を育てれば、コスパアップにつながります。土作りに必要な期間を考えると、遅くとも4月上旬までにタネをまき、5月上旬までに収穫できる野菜を選びましょう。
おすすめは葉もの野菜とラディッシュ
ホウレンソウやコマツナ、リーフレタスなど結球しない小型の葉もの野菜や、根菜類ならラディッシュがおすすめ。詳しい育て方は、各野菜の栽培ページを参照してくださいね。
ホウレンソウ
タネまき:3月中旬~5月中旬 収穫:4月下旬~6月下旬 ヒユ科
日が長くなるととう立ち(花芽ができて花茎が伸び、葉の数が増えなくなる)するので、春の栽培では「とう立ちしにくい」「晩抽性」などと書かれた品種を選びましょう。酸性土壌では生育不良になるので、苦土石灰をしっかり投入して土作りを行うことも大切です。
ホウレンソウは草丈25~30cmが収穫適期。(撮影/岡部留美)
コマツナ
タネまき:3月中旬~10月下旬 収穫:4月下旬~12月下旬 アブラナ科
春の栽培ではホウレンソウ同様、とう立ちしやすいので、「とう立ちしにくい」「晩抽性」と書かれた品種を選びます。収穫が遅れると葉や茎が堅く、筋っぽくなるので、草丈25cmくらいまでに収穫するのが◎。
ミズナ
タネまき:3月下旬~10月中旬 収穫:5月上旬~12月上旬 アブラナ科
別名「京菜」。本来は3~4kgの大株にまで育ちますが、スーパーなどでよく見かけるのは小株どりされた品種。今回は約1か月での収穫を目指すので、小株どり用の品種を選びましょう。変種のミブナ(壬生菜)も、同じように育てられますよ。
収穫適期を迎えた小株どりのミズナ。(撮影/岡部留美)
リーフレタス
植えつけ:3月下旬~5月上旬 収穫:5月上旬~6月下旬 キク科
レタス類のなかで、最も栽培期間が短いのがリーフレタス。とはいえ、タネから育てると時間がかかるので、苗を入手して植えつけるのがおすすめです。タネから育てる場合は、ベビーリーフで収穫するとよいでしょう。
苗の植えつけから約1か月後、収穫適期となったリーフレタス。(撮影/大泉省吾)
ラディッシュ
タネまき:3月中旬~5月中旬 収穫:5月上旬~7月上旬 アブラナ科
春先は収穫まで約50日かかりますが、最適期なら30日ほどで収穫できる小型のダイコンです。根が赤くて丸い品種が一般的ですが、白色やツートンカラーの品種、細長い形の品種などさまざま。品種選びも楽しいですね!
根の直径が2~3cmになったら、とりごろ。遅れると「す」が入るので気をつけて。(撮影/福田稔)
ここで紹介した野菜はどれも、本格的なサイズより少し小さいベビーリーフサイズで収穫しても美味。「収穫にこぎつけなかったら、どうしよう」と心配せずに、まずは育てて楽しんでくださいね!
次回の「こぼれ話」は、次号4・5月号に関連して、3月下旬に公開予定です!
▼これまでのこぼれ話はこちらからお読みいただけます
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